June 22, 2019 / 6:30 AM / 6 months ago

コラム:トヨタ、資金力生かしグリーン投資の「何でも屋」に

[香港 17日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トヨタ自動車(7203.T)は豊富な資金力を活用して、グリーン投資をヘッジしようとしているようだ。

 6月17日、トヨタ自動車は豊富な資金力を活用して、グリーン投資をヘッジしようとしているようだ。写真は都内で行われた記者会見の会場で展示されたトヨタのコンセプトカー(2019年 ロイター/Naomi Tajitsu)

トヨタは、コスト削減のためSUBARU(スバル)(7270.T)などのライバルと提携、クリーンエネルギー投資をさまざまな最新技術に広げている。トヨタの規模を踏まえるとこうした戦略は実行可能だが、日産自動車(7201.T)がハイブリッド車で一種の妥協をしたことがトヨタにとって大きな脅威となる可能性がある。

トヨタは今月、自社の世界販売台数の半分を電動車にする目標時期を従来から5年ほど前倒して2025年とすると発表した。ハイブリッドモデルや水素燃料電池の開発を引き続き推進する構えも示した。

「何でも屋」になることには利点がある。ガソリン車が環境に優しいモデルに取って代わられる中、どのパワートレインが将来支配的になるのか、現時点では誰にも分からない。中国では純粋な電気自動車が優位にあるが、他の国ではハイブリッドがガソリン車に代わる、より現実的な折衷案かもしれない。トヨタのホームマーケットでは、燃料電池車が有望だ。一方で、あまり豊かでない消費者は安価な化石燃料車をなお好む傾向にあり、発展途上国の政府には充電所を整備する資金が乏しい。

他の自動車メーカーにはあれこれ手を広げる余裕がないかもしれないが、トヨタには可能だ。アイコンのデータによると、トヨタの純債務はEBITDA(支払利息・税金・償却控除前利益)の3.4倍であり、フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)やフォード(F.N)、ダイムラー(DAIGn.DE)、日産よりも低い。さらにトヨタは、SUBARUや比亜迪(BYD)(1211.HK)(002594.SZ)、寧徳時代新能源科技(CATL)(300750.SZ)と提携したり、複数モデルで同じモジュールを使うデザインを採用したりすることにより、財務負担を抑えようと努力している。

それでも、こうした戦略が成功するかどうかは、新しいインフラに巨額の投資をしようとする政府や企業のコミットメントが続くかどうか、既存の自動車オーナーが行動を変えることに前向きかどうかにかかっている。過去には、消費者が行動を変えようとしなかったために、有望な環境技術が日の目を見ないというケースも数多くあった。ライバルの日産が高効率のハイブリッド車の製造に転じたのは、これが理由なのかもしれない。このハイブリッド車は、モーターを一種のジェネレーターとして使ってバッテリーを充電するというもので、従来型の補給ステーションを利用することができる。そうすれば、純粋な電気自動車や水素車の普及の妨げとなっている充電問題を解決できるだろう。

当然、トヨタも依然、ハイブリットモデルを持っている。今の現実を犠牲にしない限り、将来のために研究・提携することは意味がある。

●背景となるニュース

・トヨタは7日、自社の世界販売台数の半分を電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、燃料電池車(FCV)などを含む電動車にする目標時期を2025年と、従来の30年から5年ほど前倒しすると発表。電動車に使用する車載用電池を中国・寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)などから調達すると明らかにした。

・トヨタとSUBARUは6日、中・大型乗用車向けEV専用プラットフォーム(車台)を共同で開発すると発表した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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