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UPDATE1:外国債券の運用拡大、米ドル・ユーロ建ての構成比高まる=ゆうちょ銀行

 [東京 16日 ロイター] ゆうちょ銀行は外国債券の運用を拡大している。12日に発表した2011年3月期中間決算によると、外国債券の資産残高は9月末現在、5兆7520億6600万円と3月末比2兆0380億3300万円増加した。郵便貯金残高が減少する厳しい経営環境の中、保有債券の運用多様化などを通じて収益を確保する構図となった。

 通貨別残高では、米ドル建てが1兆7194億4800万円と同8456億4800万円増、ユーロ建てが1兆0111億6300万円と同7130億1100万円増となった。日本円も3兆0214億5400万円と同4793億7300万円増えた。

 この結果、各通貨別の資産残高構成比は、米ドル建てが29.89%と同6.37%ポイント、ユーロ建てが17.57%と同9.55%ポイントそれぞれ上昇する一方、日本円が52.52%と同15.92%ポイント低下した。

 内外の国債・社債、株式、預け金、貸出金等を含むゆうちょ銀の運用残高の合計は9月末現在で190兆4487億8000万円と、3月末比で1兆7653億0200万円減少した。

 <外債運用拡大の背景>

 市場では、「解約によって資金流出が起きている時は、短期国債など流動性資産の保有を増やすのが通常の判断だ。ただ、(ゆうちょ銀行は)、長期固定金利の外債の保有を増やし、むしろ換金リスクを高める方向で動いている」(国内運用会社エコノミスト)との指摘が聞かれた。

 外債保有拡大の背景として、為替市場では、ゆうちょ銀が「事実上の委託介入」(外銀)を実施し、ドル/円やクロス円相場の下支えをした結果、米国債やユーロ債の運用が増加した、との見方が根強い。

 特に、9月15日に財務省がドル買い/円売り介入を実施する直前、ドル/円が85円を下回って下げ足を速めた局面や、10月半ばから11月にかけて、ドルが81円を下回った際には、ゆうちょマネーが円高のスピードを抑制し、ドル/円を下支えしている、との観測が為替市場で広がった。

 事実上の委託介入の真偽は確認できないが、「ゆうちょ銀行の積極的な外貨買いの姿勢が明らかになったことで、今後の円高観測に、一定の抑止力となる可能性もある」と野村証券・金融市場調査部のシニア為替ストラテジスト、池田雄之輔氏は言う。

 財務省によると、9月15日の介入額は2兆1249億円と、1日の円売り介入額としては公表を開始した1991年以降で最大を記録。対ドルでの円売り介入は2004年3月16日以来6年半ぶりとなった。

 また、郵政制度改正にともなう、外貨運用拡大を指摘する声も聞かれた。

 政府は4月に発表した郵政改革法案に伴い、ゆうちょ銀行の運用を海外への投融資などで多様化する方針を示している。

 「ゆうちょ銀は、制度改正に伴って、インカム・ゲインを厚くする必要にかられ、長期資産を増やし、ポートフォリオ・リシャッフルを実施しているのではないか」(前出の運用会社エコノミスト)という。

 「4月以降、日本の機関投資家全般が、外国資産への投資を強化しており、ゆうちょ銀行も同様な投資行動を取ったものだろう。ポートフォリオ運用を考えるうえで、低利回りの日本国債から外国債券にシフトしたのではないか」と大和総研チーフ為替ストラテジスト、亀岡裕次氏は言う。

 しかし、金融界には、ゆうちょ銀行が海外投融資の拡大などでリスク・テークを進めることについて、慎重論もある。

 全国銀行協会の奥正行会長は「もし損失が出たら、国民負担になる」とし、ゆうちょ銀行のリスク資産拡大による国民負担の増大の可能性を指摘した。

  (ロイター日本語ニュース 星 裕康記者、森 佳子記者)

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