*キング総裁、ギリシャの債務危機により財政赤字削減の緊急性高まったと指摘
*英中銀、金利を据え置いてもCPIが目標水準へ低下すると予想
*財政再建措置やユーロ圏の弱さが成長を抑制へ
[ロンドン 12日 ロイター] イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁は12日、ユーロ圏の債務危機は英国の赤字削減に向けた取り組みの緊急性を高めたと述べ、キャメロン新政権の赤字削減計画を支持する姿勢を示した。
総裁は英中銀の四半期インフレ報告発表の記者会見で、今年度中に60億ポンドの歳出を削減する連立政権の計画は市場での借り入れコスト急上昇回避に貢献すると述べた。
その一方で、ユーロ圏向けの輸出がやや不安定となっていることが一因となり、過去3カ月で成長への全般的なリスクが高まったと警告した。
さらに、財政再建に取り組む必要性が過去2週間で高まったと指摘。「金融危機は終息したと言うにはほど遠い。金融危機はソブリン債危機の可能性に変化した」とし、「英国の財政問題を早期に対処することが不可欠だ」と語った。
キング総裁は量的緩和政策を拡大する可能性について「資産を追加購入する可能性を金融政策委員会は排除していないと判断すべきだ。われわれはそのような決定を下していないが、明らかに有している手段のひとつであり、これを排除することは間違いだ」と語った。この発言を受けて英国債が上げ幅を拡大した。
<成長とインフレへのリスク高まる>
英中銀はインフレ報告で、インフレ率が現在の3.4%から低下するペースは2月時点の予想よりも緩やかになるとの見通しを示し、ポンド安による影響が予想よりも大きかったことや商品価格の上昇を理由に挙げた。
また、銀行融資の厳格化を背景に企業が市場シェア拡大に向けた値下げよりもキャッシュフローを優先することで、余剰生産能力の大きさが示すほどインフレが低下しない可能性があることに懸念を示した。
しかしキング総裁は、これらが恒久的な問題と結論付けることはできないとし、インフレが年末までに英中銀の目標(2%)へ低下し、2013年にかけてこの水準を下回ると引き続き確信している、と述べた。
インフレ報告は、金利が市場の予測通りに上昇した場合、2年後のインフレ率は1.4%前後になると予測。金利が現行の0.5%に据え置かれた場合には、2%をやや下回る水準になるとの見方を示した。
これらの見通しは、労働党政権のダーリング前財務相が策定した予算に基づくもので、保守党と自民党による連立新政権は、財政を引き締める方針を打ち出している。
英中銀はまた、成長見通しは不透明とし、ユーロ圏の需要やポンド安の影響の度合い、財政再建のペース、銀行の融資状況に左右されると指摘。「成長への下方リスクが幾分高まった。とりわけ、各国の財政再建に対する市場での懸念の高まりを反映している」とした。
経済成長見通しについては、2012年までに年率3.6%へ拡大するとした。ただ、キング総裁は、成長の大半が内需よりも輸出に押し上げられるとの見通しを示し、「今後数年、さまざまな調整に直面し厳しい状況となるだろう」と語った。
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