September 12, 2018 / 5:04 AM / 13 days ago

アングル:トランプ氏元側近バノン氏、EU懐疑派の結集画策か

[チェルノッビオ(イタリア)/ローマ 11日 ロイター] - スティーブ・バノン元米首席戦略官は、来年の欧州議会選を視野に欧州連合(EU)懐疑派の結集を画策しており、先の総選挙で極右政党が躍進したスウェーデンなど北部の国に狙いをつけている。

 9月11日、スティーブ・バノン元米首席戦略官(写真)は、来年の欧州議会選を視野にEU懐疑派の結集を画策しており、先の総選挙で極右政党が躍進したスウェーデンなど北部の国に狙いをつけている。米アラバマ州で昨年12月撮影(2018年 ロイター/Jonathan Bachman)

バノン氏は既にイタリアの有力なEU懐疑派であるサルビーニ内相から同意を取り付けており、バノン氏の計画はハンガリーのオルバン首相など他のEU懐疑派から称賛を得ている。

最近では、バノン氏が目を向けているEU北部のオランダで極右・自由党の党首を務めるヘルト・ウィルダース氏がバノン氏を高く評価した。ウィルダースは9日、滞在先のイタリアでロイターのインタビューに応じ、「きっかけが必要なときがある。もちろん(バノン氏が)動きを起こすのはどんな形であれ歓迎だ」と述べた。

ウィルダース氏は近くオランダでバノン氏とディナーを共にし、EU懐疑派の集結について話し合う計画だという。

バノン氏が「ザ・ムーブメント」と呼ぶこのプロジェクトは、15人のスタッフを抱え、壮大な目標を掲げている。欧州の反EU指導者らに、結束して来年5月の欧州議会選を戦っていこうと呼びかけるのだ。

EUのリベラルな既存支配層を倒し、権限をEUから各国に引き戻すのが狙いだが、EU支持派はこうした取り組みが実現すれば欧州の政治・通貨統合に終止符が打たれると主張している。

しかしバノン氏は8日にローマで行ったインタビューで、この取り組みの最終的な目標はEUつぶしではないと述べた。「ザ・ムーブメント」の狙いは(1)EU加盟国の主権強化(2)国境の強化(3)移民抑制(4)イスラム過激派の根絶─の4項目への支持に合意できる政党を欧州議会に送り込むことだという。

バノン氏は「クラブであって、結びつきは緩やかだ」と述べ、人種差別主義者や反ユダヤ政党は歓迎しないと話した。「欧州各地で大衆迎合的でナショナリズムを掲げる政党に声を掛けたが、彼らが一様に言うのは、これまで話し合う機会がなかったということだ。こうした政党は孤立していると感じている」という。

ザ・ムーブメントは反EU運動の拠点となり、世論調査やデータ分析の実施、戦略的なアドバイスの提供、ソーシャルメディアを駆使したキャンペーンなどを行い、欧州議会選で反EU票を掘り起こすことを目指している。

バノン氏はこのプロジェクトに「数百万ドル」の資金を投じる予定で、近く欧州に転居する計画だという。

もっとも、米国式のやり方でEU懐疑派を統合させるのは無理筋かもしれない。サルビーニ氏とオルバン氏はEUの弱体化を望んでいるが、EUを離脱するつもりはない。ウィルダース氏はEUを粉砕したいと考えており、フランスの極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首はフランスのEU離脱の有無を決める国民投票を実施する前にEUを改革したいと望んでいる。

欧州の右派勢力を結束させようという過去の取り組みも成果を上げていない。2014年の欧州議会選後にウィルダース氏とルペン氏が極右の会派を立ち上げたが、最少の会派となり、オルバン氏は会派に加わらなかった。

スウェーデンの極右・民主党の幹部も7月に地元紙とのインタビューで「バノン氏の政治的な動きには追随しない」と述べている。

(Mark Bendeich記者、Crispian Balmer記者)

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