March 12, 2020 / 5:46 AM / in 17 days

コラム:トランプ氏、新型コロナとの闘いの「リスク要因」に

3月12日、新型コロナウイルスとの闘いで、トランプ米大統領が大きなリスク要因になりつつある。写真は11日、ホワイトハウスからコロナウイルス対策について演説するトランプ氏(2020年 ロイター/Tom Brenner)

[サンフランシスコ 12日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 新型コロナウイルスとの闘いで、トランプ米大統領が大きなリスク要因になりつつある。11日夜の大統領のテレビ演説は市場のパニックをさらにあおった。500億ドルの中小企業支援は歓迎すべきだが、欧州からの渡航制限が柱で、公衆衛生上の措置には乏しい内容だった。矛盾するメッセージも多く、診断も治療も欠いた演説だったと言える。

トランプ政権による対応は、新型ウイルスの感染者が米国で増加し始めた当初から不十分で混乱を招く傾向が見られた。今回の大統領演説後に国土安全保障省が明確にしたところによると、米国への渡航が制限されるのは、イタリアやフランス、ドイツなど「シェンゲン協定」を結ぶ国で、米国民や永住権保有者は対象外。13日から30日間適用する。

トランプ氏は演説で、欧州からの「大量の貿易品や貨物」の流入を停止すると述べたが、その後ツイッターで発言を撤回した。仮にそうした貿易停止措置が取られれば、経済への打撃は深刻になる。大統領の演説を受けて米株価指数先物は大幅下落した。

演説では、新型ウイルスの感染拡大抑制に向けた重要な情報や対策への言及もなかった。大きな問題の1つとなっているのは検査キットの不足だ。こうした中で感染者は1000人を超え、一部地域は対応が追い付かなくなりつつある。それにもかかわらず、トランプ氏は検査拡充の方法や、地方当局および病院に対する政府の支援には言及しなかった。

経済面の措置も期待外れだった。トランプ氏は、中小企業向け低利融資に充てる500億ドルの予算措置を議会に要請する意向を示し、新型ウイルスに感染した労働者への支援をある段階で実施する考えを明らかにした。ただ、後者については詳細を示さず、与野党双方で効果に懐疑的な見方が出ている給与税減税にあらためて言及した。

トランプ氏が時間を費やしたのは、米国の準備態勢や経済、医療制度などを自慢することだった。トランプ政権がとった行動は今のところ、そうした主張とはかけ離れている。金融市場の動向を気にかける大統領だが、皮肉なことに投資家のパフォーマンスにとって自身がリスクとなっている。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below