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焦点:トランプ・リスクに揺れる米株市場、頼みは追加経済対策

[4日 ロイター] - 金融市場は、新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領の症状がさらに悪化した場合、資産価格にどのような影響を及ぼすかについて検討を始めている。

10月4日、金融市場は、新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領の症状がさらに悪化した場合、資産価格にどのような影響を及ぼすかについて検討を始めている。写真は2日、ワシントン近郊のウォルター・リード軍医療センターに到着したトランプ氏(2020年 ロイター/Joshua Roberts)

今のところ市場はそれほど暗くはない。2日には米議会の追加経済対策協議の進展期待が支えとなり、S&P総合500種.SPXの下落率は1%弱どまり。いわゆる安全資産の買い需要は限定的だった。ただ、トランプ氏が軍の医療施設に入院したとのニュースが舞い込んできたのは2日の取引が終了したあとだった。

こうした中で多くの投資家は、11月3日の大統領選まで1カ月を切った今、トランプ氏が深刻な状態に陥れば、米国株が混乱しかねないと懸念している。ベアードの投資ストラテジスト、ウィリー・デルウィッチ氏は、大統領の健康悪化で市場が無視できないほどの「多大な不確実性」がもたらされると警告した。

そこで投資家は、トランプ氏が早期に回復して「ファイター」のイメージを向上させる展開から、症状長期化、死去によって市場のリスク志向を枯渇させてしまう可能性まで、ありとあらゆる事態を想定している。

不透明感が長引くなら、今年の株高をけん引してきたハイテクやモメンタム銘柄が特に売りを浴びやすくなる、というのが一部投資家の見立てだ。実際、2日もハイテク株の比重が大きいナスダック総合指数.IXICの下落率は2%強と、S&P総合500種の2倍に達した。

デルウィッチ氏は「市場参加者が不安に包まれるとすれば、恐らくハイテクや大型株といった人気取引の巻き戻しという形で顕在化するだろう」とみている。BofAグローバル・リサーチが先月実施した機関投資家調査では、「最も集中している取引」としてハイテク株買いを挙げた割合が過去最高の80%だった。

大手IT銘柄への資金集中は、その値動きが市場全体を揺るがす力があまりにも大きいという面でも懸念されている。オックスフォード・エコノミクスによると、時価総額トップ5の米企業、つまりグーグル親会社アルファベットGOOGL.O、アマゾンAMZN.O、アップルAAPL.O、フェイスブックFB.O、マイクロソフトMSFT.Oは、S&P総合500種の合計時価総額の約25%を占める。

<選挙後の紛糾なお想定>

トランプ氏のコロナ感染で、以前にも増して注目を浴びるようになったのが議会の追加経済対策を巡る協議だ。投資家は、合意されれば、大統領選に絡む不確実性に覆われる市場の安定要素になり得ると期待する。

追加対策は米経済がパンデミックから立ち直るスピードを速め、今年出遅れていた景気敏感株にとって追い風になる、と複数の投資家は口にする。株式をアンダーウエートにしているトゥルーイスト/サントラスト・アドバイザリーのチーフ市場ストラテジスト、キース・ラーナー氏は、ボラティリティー上昇の機会をとらえて株式投資を拡大する考えを明らかにした。

2日の米株式市場の動きからは、売り局面のさなかに追加対策が発表される事態に一部の投資家が備えている可能性を示唆する。というのもS&P総合500種全体は下落したが、幅広い景気回復の恩恵を受けやすい工業と金融という2つのセクターはそれぞれ1.1%と0.7%上昇したからだ。

EABインベストメント・グループのマクロ・相関防衛ストラテジスト、アーニム・ホルツァー氏は、トランプ氏の健康状態への不安はあるものの、「市場では財政刺激プログラムの存在感が最も大きい」と強調した。

一方、過去数カ月にわたって大統領選に絡む市場の変動に対して投資家がヘッジ取引を重ねてきたことで、2日の値下がりが抑えられた可能性がある上、今後のボラティリティーもある程度和らげてくれるかもしれない、と話すのはヘッジファンドのサンライズ・キャピタル・パートナーズのクリストファー・スタントン氏だ。

それでもシカゴ・オプション取引所のボラティリティー・インデックス(VIX)先物を見ると、11月3日以降も選挙結果に関する紛糾が続く、と市場は引き続き予想している。トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズのマイケル・パーブス最高経営責任者(CEO)は「トランプ氏は健康を回復できなければ選挙結果への異議申し立てをあきらめるかもしれない」と述べつつも、現時点では市場は選挙後の混乱を排除していないとの見方を示した。

(April Joyner記者、Lewis Krauskopf記者)

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