[12日 ロイター] - 米首都ワシントンとメリーランド州の司法長官は12日、トランプ大統領を相手取り、同氏が不動産業を通じて外国政府などから得た報酬は憲法に違反するとしてメリーランドの連邦地裁に提訴した。
訴訟は、トランプ氏が経営するホテルなどを外国政府や国内の地方政府などが利用することで、両州の他の企業がビジネス機会を奪われるとともに、地方政府に対してトランプ氏経営の不動産関連会社を特別待遇するよう圧力がかかっていると指摘。
また、トランプ氏が多くの事業の経営権を握っていることは、公職にある者が外国政府や国内地方の政府から報酬や贈与を受け取ることを禁じている憲法の「報酬条項」に違反しているとし、地裁にトランプ氏による給与以外の政府からの報酬受け取りを差し止めるよう求めた。
トランプ氏が経営していた不動産会社トランプ・オーガニゼーションはこれまで、外国政府を代表する顧客から得た利益は財務省に寄付すると表明している。トランプ氏は1月に同社の経営権を息子たちに譲っているが、ワシントンの「トランプ・インターナショナル・ホテル」などは引き続き所有している。
記者会見したワシントンのラシーン司法長官は「大統領は職務と自身が経営する事業を分離すると述べてきたが、すべての約束に違反している」と指摘。ラシーン氏とメリーランドのフロシュ司法長官はともに民主党系。
スパイサー大統領報道官はトランプ氏の事業が違憲との主張を否定し、「党派政治」が訴訟の動機だと批判した。
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