July 19, 2017 / 1:32 AM / 2 years ago

焦点:トランプ政策の実現性さらに疑問符、強まるドル安観測

[ニューヨーク 18日 ロイター] - 米議会上院で18日、医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の可決が絶望的となったことで、トランプ政権が掲げる税制改革、インフラ投資、金融規制緩和などの実現性がさらに危ぶまれ、ドル安が加速しそうだ。

主要6通貨に対するドル指数.DXYは同日、10カ月ぶりの安値を付けた。欧州中央銀行(ECB)による量的緩和の縮小や、他の中銀による利上げ観測も相まって、過去5カ月間のドル安基調は今後も続くとみられている。

シリコン・バレー・バンクのシニア通貨トレーダー、ミン・トラング氏は「今年いっぱいドルの見通しは弱気に転じた」と語った。

<トランプ・トレードは後退>

昨年11月の米大統領選後、米国株とドル、米国債利回りはそろって上昇していた。共和党が上下両院で過半数議席を抑えたため、トランプ大統領は一連の政策を速やかに実行に移し、経済成長と物価が押し上げられるとの期待からだった。

しかし共和党内の対立により法案の成立が滞ると、この「トランプ・トレード」は徐々にしぼみ、18日のオバマケア代替法案の頓挫がドル売りに追い打ちをかけた。

ウンダーリック・セキュリティーズの首席市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は「選挙公約通りの税制改革を実行するのは難しい。オバマケア代替法案の挫折により、トランプ大統領の政策課題はすべて来年に持ち越されてしまった」と説明した。

ドル指数は年初から7.48%下がり、2002年以来で最大の下げ率となっている。

商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、先週の投機筋によるドルの買い越しは5月以来の最低水準で、市場でドルの先安観が広がっていることが分かる。

<ECBもドル安要因>

今年後半にドルを圧迫しそうな要因は、米国の経済改革の停滞だけではない。

4週間前にドラギECB総裁がユーロ圏の景気回復を強調し、ECBが年内に債券買い入れの縮小を検討し始めるとの観測が広がったのをきっかけに、ユーロはドルに対して上昇を再開。年初からは10%上昇している。

ユーロ/ドルEUR=は18日、代替法案頓挫のニュースを受けて2016年5月以来の高値を付けた。

JPY=も対ドルで上昇し、1月以来の上昇率は4.0%となった。

米ドルはカナダドルCAD=およびポンドGBP=に対しても下げている。

カナダドル/米ドルは18日、1年3カ月ぶりの高値を付け、年初来の上昇率は6.0%となった。カナダ銀行(中央銀行)は先週、7年ぶりに利上げに踏み切り、アナリストを対象としたロイター調査では10月の追加利上げが予想されている。

 7月18日、米議会上院で医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の可決が絶望的となったことで、トランプ政権が掲げる税制改革、インフラ投資、金融規制緩和などの実現性がさらに危ぶまれ、ドル安が加速しそうだ。写真は6月撮影(2017年 ロイター/Thomas White)

ポンド/ドルは先週、10カ月ぶりの高値に上昇した。米国のインフレ率が上昇し、イングランド銀行(中央銀行)幹部から利上げを示唆する発言が出たことが背景にある。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのシニアFXストラテジスト、ニール・メラー氏は「最近出てくる材料はどれも、市場のドルに対する弱気観を裏付けている」と語った。

(Richard Leong記者)

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below