June 26, 2019 / 1:42 AM / 6 months ago

コラム:トランプ米大統領、韓国の貢献に報いるべき

[ワシントン 24日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米国と中国を2大市場とする韓国では貿易戦争による影響が深刻化している。輸出は6カ月連続で減少し、経済は縮小、リセッション(景気後退)のリスクが高まっている。トランプ米大統領はこの痛みを理解しているだろうか。

6月24日、米国と中国を2大市場とする韓国では貿易戦争による影響が深刻化している。写真は4月、ワシントンのホワイトハウスで会談するトランプ米大統領(左)と韓国の文在寅大統領(2019年 ロイター/Carlos Barria)

米国との強力な経済連携を強化するための韓国の措置は、単なる言葉以上のもので報われるに値する。第一に、韓国企業は米国で質の高い雇用を創出するため多額の投資を行っている。

ロッテ・ケミカル(011170.KS)は先月、ルイジアナ州に31億ドル規模の施設を開設し、年間約7万5000ドルの給与に福利厚生も付いた265人の雇用を生んだ。州当局によると、このプロジェクトでさらに2300人の間接雇用が同地域で生まれるという。トランプ氏は先月、ホワイトハウスでロッテグループの幹部と会った後、同社の投資は「米国最大」だとツイートした。

一方で、ロッテが2017年に米軍のミサイル迎撃システム配備のための用地を提供した際、トランプ氏が謝意を示すことはなかった。中国が報復措置としてロッテの店舗を閉鎖したことで、同社は直接的な打撃を受けた。中国の報復は現代自動車(005380.KS)にも及び、同社の中国販売台数は大幅に落ち込んだ。韓国の観光市場も中国人観光客の減少で打撃を受けた。

貿易面では、米国製品の韓国向け輸出は2018年に前年比17%増、2016年以降の累計では34%近く増加しており、トランプ氏がこだわる「貿易赤字」に韓国が対処していることがうかがえる。米財務省は依然として韓国を他の国の不均衡と同列に扱っているが、韓国は米国の輸入全体の約0.5%%を占めるにすぎず、中国の対米貿易黒字はその25倍近い。また、2018年のサービス収支は米国が韓国に対し122億ドルの黒字となった。

全体として米韓の貿易赤字は減少しており、2018年には200億ドルの水準を下回った。現在では2015年のピーク時より3分の1以上も減少している。米財務省当局者はこの大幅な調整について、化学品や燃料をはじめとする米国の対韓輸出増加がけん引したと指摘している。

韓国はさらに、米国にとって4番目の規模の兵器市場となっている。業界紙「ディフェンス・ニュース」によると、韓国は今後5、6年で90億ドル近くの米軍事システムの購入を計画しており、過去10年の購入額である74億ドルを上回る見通しという。韓国の防衛費は対国内総生産(GDP)比2.6%と、北大西洋条約機構(NATO)のベンチマークである2%を上回り、文在寅大統領は残りの任期3年でこの比率をさらに高める方針だ。韓国が多くの米同盟国よりも防衛上の負担を真剣に受けとめていることは明らかだ。

トランプ氏は今月、大統領就任後2回目となる訪韓を予定しているが、こうした韓国の貢献をどうすれば評価できるだろうか。

1962年の米通商拡大法232条に基づき発動を警告している自動車関税の免除が手始めになる。現代自や起亜自動車(000270.KS)のセダンやSUV(スポーツ多目的車)による安全保障上の脅威がどこにあるというのか。

米財務省も、韓国を早期に為替の監視対象から除外することができる。同省は年内にも韓国を対象から外す可能性があるとしているが、すでに遅すぎる感がある。

米政府はさらに、アジアの最も重要な同盟国である日韓の外交・経済関係の修復に向けてさらなる役割を果たすこともできる。朝鮮半島の安全保障上の脅威や中国の問題に対応するには3カ国の健全な関係が不可欠だ。

最後に、向こう1年に再交渉される軍事費分担の問題で米国は予測可能で公平かつ長期的な合意に戻ることができる。

韓国は忠誠心を示すとともに資金もつぎ込んでいる。その努力は認められ、報われるべきだ。

●背景となるニュース

*トマス・バーン氏はコリア・ソサエティーのプレジデントで、ムーディーズ・インベスターズ・サービスのアジア太平洋および中東担当ソブリンリスク責任者を務めた。

*トランプ大統領は今週大阪で行われる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の後、29日から2日間の日程で訪韓する。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のゲストコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below