[ニューヨーク/ワシントン 18日 ロイター] - ロシア疑惑を捜査するモラー米特別検察官の報道官は18日、トランプ大統領が元顧問弁護士にロシアでのトランプタワー建設計画を巡り議会で偽証するよう指示していたとの報道について、主要部分に対する反論を展開した。
バズフィード・ニュースが17日遅くに報じたところによると、元顧問弁護士マイケル・コーエン被告はモラー氏率いる捜査チームに対し、2016年米大統領選中も継続していたロシアでのトランプタワー建設計画を巡り議会で偽証するようトランプ氏から指示を受けたと発言した。
モラー氏の報道官ピーター・カー氏は「コーエン被告の議会証言を巡り特別検察官チームに対して発言された具体的内容や同チームが入手した資料や証言に関するバズフィードの記述・描写は正確ではない」とコメント。16年大統領選へのロシア干渉疑惑の捜査が1年8カ月前に始まって以降、モラー氏のチームがメディアの報道に対してコメントを出したのは初めて。
カー氏はトランプ大統領がコーエン被告に偽証を指示した証拠があるかどうかには直接言及せず、バズフィードの記事が偽証指示の裏付けとしている部分について反論している。
バズフィードは米法執行機関の当局者2人の話として、コーエン被告がモラー氏に対し、トランプタワー建設計画が実際より早く終了したと議会で証言するようトランプ氏から指示を受けたと述べたと報じた。また、モラー氏はトランプ大統領が偽証を指示したことを裏付ける電子メールやテキストメッセージ、トランプ・オーガニゼーション社員の証言を入手しているとしている。
バズフィードのベン・スミス編集長は声明で、報道内容を変えることないと表明した。
バズフィードの報道を受けて、上下院の関連委員会のメンバーは調査に乗り出す構えを明らかにしている。
一方、ホワイトハウスのサンダース報道官は18日、報道内容について「完全にばかげた話だ」と述べて否定。
トランプ大統領はツイッターへの投稿で、コーエン被告が刑期短縮を狙ってうそをついていると批判した。トランプ氏の顧問弁護士、ジュリアーニ氏は偽証指示に関するいかなる観測も「全面的な誤り」と一蹴した。
上院情報特別委員会の一部メンバーは2月に予定される非公開の聴聞会でバズフィードの報道についてコーエン被告に質問することを求めている。委員会筋がロイターに明らかにした。同被告はまた、2月7日に下院監視・政府改革委員会で公に証言する予定。