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システムの「バグゼロ」は不可能、障害回復力が重要=山道東証社長

東京証券取引所の山道裕己社長は、過去の取引所でのシステム障害を踏まえ、障害の原因となり得るコンピューターのバグ(不具合)をゼロにするのは不可能との認識を示した上で、重要なのは止まったときにいかに復旧するかという障害回復力(レジリエンス)だと述べた。写真は東京証券取引所。2020年10月撮影(2021年 時事通信)

[東京 9日 ロイター] - 東京証券取引所の山道裕己社長は、過去の取引所でのシステム障害を踏まえ、障害の原因となり得るコンピューターのバグ(不具合)をゼロにするのは不可能との認識を示した上で、重要なのは止まったときにいかに復旧するかという障害回復力(レジリエンス)だと述べた。ロイターなどと5日に実施したグループインタビューで述べた。

山道社長は、13年から大阪証券取引所(現大阪取引所)社長を務めていた。大取は米ナスダックのシステムを利用しているが、時間や資金を使ってコンピューターのソフトの中にあるバグを除去する努力をしても「バグはなくならない。バグをゼロにするのは不可能」と感じたという。

システム障害を受けて東証が取りまとめた再発防止策について、山道社長は具体的な数字が入ったことは「ものすごく大きな一歩」としつつ、「ルールを作ったから完成ではなく、ここからがスタート」だと語る。

再発防止策が次の問題発生時に機能するかはその時に判断されることになるため、「風化させないために、どういう風に実質的な取り組みをやっていけるか」が問われているという。山道社長は、障害発生時を想定した訓練や市場環境の変化に伴うルールの改定などを継続的に行うことが大切だとしている。

東証では昨年10月1日、大規模なシステム障害が発生した。障害発生時の取引再開ルールや証券会社との手順が未整備だったため、顧客対応や円滑な売買の実施が困難だとして、東証は終日の売買停止を判断した。

東証は2022年4月に、現在の5つの市場区分を新しい3つの市場区分(プライム、スタンダード、グロース)に再編する。山道社長は、市場区分のコンセプトが不明確になっていたことや同じ東証1部でも企業の規模などに大きな差があったことを改革の理由に挙げた。「市場代表性、指標性、東証1部銘柄を全部入れてるのは本当に良いのかどうか」などを踏まえ、トピックスの見直しも行う意向を示した。

今年2月にカナダ・トロント証券取引所にビットコインの上場投資信託(ETF)が上場。山道社長は、ビットコインは商品としてある程度のステータスを得てきているとの認識を示し、今後も技術の検証を続け「機運が高まればやりたい」と語った。現状、「日本では、なかなか取引所で取り組むほどの一般性が確立していない」という。

米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントの巨額損失問題については、「ファミリーオフィスは自己資金のみを運用してるがゆえに規制からは外れている特殊な会社」と述べ、「何らかの規制は出てくると思う」との見解を示した。

新田裕貴 編集:青山敦子

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