[アンカラ 28日 ロイター] - トルコ中央銀行は28日、金融政策に関して簡素化のプロセスを完了すると発表した。1週間物レポ金利を政策金利とし、現在の後期流動性窓口金利と同水準の16.5%とする。
中銀は声明で、新たな金融政策の枠組みは6月1日に発効するとした。
翌日物借入金利は1週間物レポ金利を150ベーシスポイント(bp)下回る水準、翌日物貸出金利は1週間物レポ金利を150bp上回る水準となる。
銀行は過去数年にわたり複数金利による複雑なシステムに依存してきたが、これが金融政策を予想しにくくしていると指摘されていた。中銀は先週、急落したトルコリラ相場を押し上げるため主要政策金利のうち後期流動性窓口金利を3%ポイント引き上げて16.5%とした。
発表を受けてトルコリラは上値を伸ばし1ドル=4.6070リラに上昇。25日終値は4.7052リラだった。その後は2.4%高の4.5950リラで推移。1日の値上がりとしては1年4カ月ぶりの大きさとなった。ただ、年初来では依然新興国通貨で最も大きく値を下げている通貨の一つ。
ISインベストメントのエコノミスト、Muammer Komurcuoglu氏は「単一金利として1週間物レポ金利での資金調達により、予測可能性が高まる上、引き締めスタンス維持に向けた強力なシグナルを市場に発信している」と述べた。
また、より高水準の後期流動性窓口金利が発表される可能性はあるが、資金調達に使われることはないだろうとの見方を示した。
クレディ・アグリコルで新興国市場を担当するセバスティアン・バーベ氏は、この日の決定は先週の利上げを補完するものでポジティブだと評価。
必要があれば、今後数週間以内に新たな引き締めや利上げが行われるだろうとし、「やがて他の金利を廃止して一つの金利にすることはできるが、短期的にはこうした制度を維持するとみている。中銀が柔軟性を持てるからだ」と話した。
*写真を加えました。
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