[31日 ロイター] - トルコ中央銀行のウイサル総裁は31日、過去数カ月間で10%ポイントに及ぶ利下げを実施しており、利下げ余地は狭まったという認識を示した。また、年末時点の物価目標は中間値で12%とし、従来の13.9%から引き下げた。
中銀は24日、政策金利の1週間物レポレートTRINT=ECIを2.50%ポイント引き下げ、14.0%にすることを決定した。ウイサル総裁が就任した7月時点で1週間物レポレートは24.0%だった。
9月の消費者物価指数(CPI)は前年比の伸びが9.26%まで鈍化。7月時点では16.65%だった。通貨危機に見舞われた昨年は25%超まで高進していた。
総裁は四半期インフレ報告公表の席で「現状にたどり着くまで、かなりの緩和余地を使ったことを強調したい。主要な物価動向は著しく改善しており、これが中銀の決定につながった根本要因だ」と指摘。世界的な拡張的金融政策も後押ししていると述べた。同時に経済活動は緩やかな回復が続く一方、投資は依然脆弱で、世界経済のさえない見通しが外需を抑制しているとした。
制裁の脅威については、国内の金融システムにはあらゆるリスクに対する備えがあると応じた。ムニューシン米財務長官は30日、米国は念のために対トルコ制裁を用意しているとしながらも、制裁解除の根拠となったシリア停戦合意に今のところは満足していると表明した。
物価に関しては、10月が1桁の伸びとなり、その後11ー12月にかけて上昇する見込みとした。中銀が予想する2020年末の物価水準は8.2%と従来から変わらず。21年末は5.4%、中期水準は5%。
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