[イスタンブール 15日 ロイター] - トルコ中央銀行は15日の会合で、市場の予想通り主要金利を据え置くことを決定した。同国のエルドアン大統領は借り入れコストの低下を訴えているが、中銀はインフレ率が2桁台に達している現状に配慮した。
市場が注目している後期流動性貸出金利を12.25%に据え置き、1週間物のレポ金利を8%に維持。インフレ見通しが大幅に改善するまでは、引き締め型の政策スタンスを継続する姿勢を示した。
翌日物貸出金利は9.25%、翌日物借入金利は7.25%にそれぞれ据え置いた。ロイター調査では、エコノミスト16人全員が据え置きを予想していた。
キャピタル・エコノミクスのシニアエコノミスト、ウィリアム・ジャクソン氏は、顧客向けノートの中で「中銀はこれまでよりもインフレ抑制の必要性を真剣に受け止めているようだ」と指摘。
「今年の経済成長の強さや高水準のインフレ率を踏まえると、一部で年内の利下げを見込む動きがあるようだが、実際に行われる可能性は低い」との見方を示した。
トルコ中銀は、声明で「最近のコスト要因の改善と食品価格の一部調整見通しはディスインフレに寄与するものの、現在の高いインフレ水準は価格設定行動にリスクをもたらす」と判断。
「中銀は物価安定の目標に向け、利用可能なあらゆる措置を引き続き講じていく」としている。
*内容を追加しました。
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