[イスタンブール 29日 ロイター] - トルコのエルドアン大統領は、最低賃金の50%引き上げと自国通貨暴落防止のためのリラ建て預金保護措置という2つの大きな発表を行い、事実上早期選挙への扉を開いたと政治アナリストは指摘した。
12月20日にトルコリラが1ドル=18.4リラという記録的な安値を付けて通貨危機がピークに達し、経済や家計を大きく揺るがした後、それぞれの発表は5日の間に行われた。
大統領・議会選挙は2023年半ばに予定されているが、エルドアン大統領と政権与党の公正発展党(AKP)幹部は、これより早く実施されることを繰り返し否定している。
しかし、エルドアン氏の支持率が長期低迷する中、来年の最低賃金引き上げと1ドル=12リラへの急反発は、選挙前倒しの可能性を示唆している。
今回のエルドアン氏の発表についてアナリストらは、過去に見られたような選挙前の指導力誇示と同様と受け止めている。大統領候補者を決めていない野党連合にとっては、今回の選挙で不利になる可能性がある。
今月実施されたメトロポールの調査によると、長年にわたる2桁のインフレ率と自国通貨安による収入圧迫により、エルドアン氏の不支持率は2015年以来の水準にまで達している。
他の世論調査では、エルドアン氏が野党候補者との決選投票で負けるという予想もある。
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