[イスタンブール 31日 ロイター] - トルコ統計庁が31日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比7.6%増と、市場予想をやや上回った。輸出と内需が好調だった。
季節・日数調整済み前期比では2.1%増。
ロイターがまとめた市場予想は前年比7.5%増だった。今年の経済成長率予想は4%。今年下半期は、主要貿易相手国の景気減速などを背景に外需・内需が伸び悩み失速するとみられている。
昨年の経済成長率は改定値で11.4%と、新型コロナウイルス禍からの力強い回復を背景に過去10年で最高の伸びを記録した。今年第1・四半期のGDPは前年比7.3%増から7.5%増に修正された。
エルドアン大統領の経済計画では、一連の非正統的な利下げを通じて成長、雇用、投資、輸出の拡大を促しているが、利下げは通貨危機やインフレ高進を招いた。
第2・四半期は、物価上昇で支出額が増加したほか、リラ安で輸出が拡大した。モノ・サービスの輸出は前年比16.4%増。輸入は5.8%増だった。
金融機関の推計によると、家計消費の寄与度は13.6%ポイント、外需の寄与度は2.7%ポイント。
キャピタル・エコノミクスの新興市場経済担当シニアエコノミストは、インフレ進行を受けた家計向けの支援策が個人消費の支えになったと指摘。
「今年上半期の力強い成長、高水準の国際エネルギー価格、インフレの進行から家計を守る政策を背景に、インフレが定着し、大幅な経常赤字が続くだろう」と述べた。
部門別では、金融・保険部門が26.6%増、サービス部門が18.1%増、専門・管理サポートサービス部門が11%増、工業部門が7.8%増だった。
銀行は調達金利を大幅に上回る金利で融資を続けており、今年の利益が急増している。
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