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トルコ経済、高成長が諸刃の剣に 高インフレ続く

[アンカラ 31日 ロイター] - 今年のトルコ経済は、好調な製造業や消費を背景に新型コロナウイルス禍から回復し、10%近い成長が見込まれているが、好景気を受けてインフレ率は2桁に達しており、インフレが景気に悪影響を及ぼしつつある。

 8月31日、今年のトルコ経済は、好調な製造業や消費を背景に新型コロナウイルス禍から回復し、10%近い成長が見込まれているが、好景気を受けてインフレ率は2桁に達しており、インフレが景気に悪影響を及ぼしつつある。写真はイスタンブールで4月撮影(2021年 ロイター/Dilara Senkaya)

アナリストは経済成長率とインフレ率の予測をともに上方修正しており、エルドアン大統領が望む利下げは先送りされる公算が大きい。大統領は公の場で9月の利下げを主張している。

ロイター調査によると、9月1日発表の第2・四半期の国内総生産(GDP)は前年比21.7%増となる見通し。通年のGDPは8%以上増加すると予想されている。

9月3日発表の8月のインフレ率は、7月の18.95%に近い水準になるとみられる。個人消費、リラ安に伴う輸入物価の上昇、世界的なコモディティー価格の上昇で、世界的にも高水準のインフレとなっている。

キャピタル・エコノミクスの新興国市場担当チーフエコノミスト、ウィリアム・ジャクソン氏は、経済活動が新型コロナ流行前の水準に回復する中、食品価格、電気料金、天然ガス価格の圧力が高まっていると指摘。

「インフレ率は今後数カ月、19.0%近くにとどまり、利下げサイクル開始は年末以降になる可能性が高い」とのリポートをまとめた。

シティは年末のインフレ率を17.5%以上と予想している。

<孤立する中銀>

一方、9月23日に政策決定会合を開くトルコ中央銀行は、インフレ率が年内に14%に鈍化すると予想。物価にボラティリティーが生じることはないとの見方を示している。

中銀のインフレ予測は市場予想と乖離しており、金融緩和の縮小を視野に入れる国が多い中、中央銀行の世界でも孤立した存在となっている。

中銀はインフレ抑制のため、引き締めサイクルを開始した。政策金利は昨年半ばの8.25%から今年3月には19%に引き上げられている。

エルドアン大統領が繰り返し利下げ開始を求める中、内外の投資家は、中銀政策の継続性に期待を寄せている。

中銀のカブジュオール総裁は信用の伸びがさらに鈍化すると予想。9月1日に投資家との電話会議を開催する。

ある民間銀行の為替トレーダーは「主なリスクは早期利下げの可能性だ」とし、「内需は強く(早期利下げは)インフレにつながる」と話した。

トルコの過去20年間の平均経済成長率は5%だが、ここ数年は通貨危機、景気後退、新型コロナ流行を受けて、この水準を大幅に下回っていた。

政府は今年の経済成長率を8%以上と予測している。

ある当局者はロイターに「新型コロナの流行に伴う新たな封鎖や問題がなければ、現在のトレンドから見て、8─11%の経済成長を新たな支援策なしで実現することも可能だ」と述べた。

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