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コラム

コラム:トルコ中銀新総裁、大幅利上げ含めて見事な初仕事

[ロンドン 19日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トルコ中央銀行のアーバル新総裁は、素晴らしい滑り出しを見せた。就任から2週間しか経過していないが、過去2年余りで最も大幅な利上げに動き、物価上昇抑制を続けると約束した上に、幾つかの主要政策金利を事実上一本化して透明性を向上させたからだ。これは機関投資家の耳にも心地よく響くだろう。

 11月19日、トルコ中央銀行のアーバル新総裁は、素晴らしい滑り出しを見せた。2016年9月、トルコ・アンカラで撮影(2020年 ロイター)

アーバル氏は19日、主要政策金利の1週間物レポレートを10.25%から15%に引き上げ、資金供給は全てこの金利で行うと宣言し、前任者が駆使していた、いわゆる裏口的な「金利コリドー」と決別した。金利コリドーの下で、中銀は4つの政策金利で供給する資金量を調節し、日々の平均的な借り入れコストを操作してきた。これを撤廃したことで、今後の金融引き締めは裏口経由ではなく正面から堂々と行われるだろう。たとえこの1年半足らずの間に2人の総裁を更迭したエルドアン大統領の怒りを招く恐れがあるとしてもだ。

今回の利上げと透明性強化は、エルドアン氏の介入に悩まされていた中銀としては実に思い切った行動で、市場の信頼回復という面で見事な新体制の船出となった。それが通貨リラ押し上げにつながったのは間違いない。アーバル氏の総裁任用と、それに続くエルドアン氏の娘婿アルバイラク氏の財務相辞任を受けて、リラは既にドルに対して10%強も上昇していた。

今回の動きはタイミングも申し分ない。ゴールドマン・サックスは、中銀が1-10月に1000ドルを超える外貨準備を費消したと見積もっているが、こうした介入でもリラを防衛できず、今月に一時は1ドル=8.6リラまでリラ安が進んだ場面があった。金融政策の信頼を高める方が、リラ支援のコストはずっと安くなる。

確かにリラはまだ苦境を抜け出したわけではない。そして中銀の外貨準備は差し引き160億ドルにまで目減りしたし、イスタンブールは新型コロナウイルスの感染第2波にあえぎ、国際通貨基金(IMF)は今年のトルコ経済がマイナス5%成長になると予想している。それでも利上げによってついに政策金利は物価上昇率を上回った。投資家にとって、一足早く感謝祭の贈り物が届いたということだ。

●背景となるニュース

*トルコ中央銀行は19日、主要政策金利を10.25%から15%に引き上げ、全ての資金をこの金利で供給すると表明した。

*通貨リラの対ドル相場は前日に比べて上昇した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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