May 11, 2018 / 8:17 AM / 8 days ago

ブログ:トルコ「東方鉄道」1300キロの旅

[カルス(トルコ) 26日 ロイター] - エムレ・センさん(29)が、恋人のミネ・ヌルさん(28)にプロポーズしたのは、トルコ東部を約1300キロにわたって走る「東方鉄道」の、ロウソクの光で照らされた個室の中だった。人生の旅を共に始める出発点として、完璧な演出だと思ったからだ。

 4月26日、エムレ・センさん(29)が、恋人のミネ・ヌルさん(28)にプロポーズしたのは、トルコ東部を約1300キロにわたって走る「東方鉄道」の、ロウソクの光で照らされた個室の中だった。写真は2月、トルコ東部エルジンシャン県を走る東方鉄道(2018年 ロイター /Umit Bektas)

「私たちは、旅が大好き。だからこれがぴったりだった。人生という旅の、短いデモンストレーションのようなものだ」と、2年の交際を経て結婚を申し込んだエムレさんは話した。

プロポーズを受けてエムレさんにハグするミネさん(2018年 ロイター /Umit Bektas)

ミネ・ヌルさんの答えは、イエスだった。

ほんの数年前まで、約1365キロの距離を旅するのに、1時間強のフライトではなく、24時間かかる列車を選ぶことは考えられなかった。45リラ(約1100円)という、恐ろしく安い切符代にもかかわらずだ。

(2018年 ロイター /Umit Bektas)

ある時、若いトルコ人のグループが、スピード重視をやめることにして、この路線の寝台列車を予約したことをきっかけに、状況は一変した。当然のごとく、彼らは旅の経験をソーシャルメディアでシェアした。

それからというもの、列車は、楽しみと冒険と交流と、新しい経験を得られる場所になった。

(2018年 ロイター /Umit Bektas)

「インスタグラムではやっているのを見て、気になっていた。何枚かの写真を見て、自分たちもやってみたくなった」と、このために選んだという旅仲間の友人とおそろいのパジャマと靴下を着たヌルジャン・ギュネールさんは話した。

(2018年 ロイター /Umit Bektas)

5両編成から11両編成へと車両の数が倍以上に増やされたのにもかかわらず、最近ではチケットは発売翌日には売り切れてしまう。それでも、トルコ東部の内陸部を走る列車のゆったりとしたペースは変わらない。

東方鉄道は、首都アンカラからアルメニア国境近くの東部の町カルスへと、毎日運航している。カイセリやシワス、エルジンシャン、エルズルムといったアナトリア半島の各県を通り、24時間半で終点に着く。

(2018年 ロイター /Umit Bektas)

その途中、農村地帯や高原や森林を越え、春の太陽を受けた雪解け水で増水した川を渡り、山間地帯の長くて暗いトンネルを抜けて行く。

2017年だけで、前年比40%増の約30万人がこの路線を利用した。

(2018年 ロイター /Umit Bektas)

東方鉄道の列車には、客車のほかにトイレや小さな冷蔵庫とテーブルを備えた寝台車もある。

運賃の安さから短区間を利用する地元住民が一部いるほかは、乗客のほとんどが、アンカラからカルスまでの全区間を旅する遠方からの旅人たちだ。

ソーシャルメディアでこの列車旅に関する投稿が広がるにつれ、旅に参加する人が必ずやらなければならない「マスト」なことも出てきている。

(2018年 ロイター /Umit Bektas)

列車のルートを示す車内掲示板を手に写真を撮ったり、個室をクリスマスのイルミネーション用の電飾や、ロウソク、風船などで飾ったり、4人用個室に大勢で集まってパーティーを開いたり、グループ写真を撮ったり、小さな駅のプラットフォームに降りて踊ったりといったことが、今では普通になっている。

医療技術者のブルジュ・ユルマズさん(37)は、ソーシャルメディア上でシェアされていた写真を見て、自分も旅に出ることにした。チケットを確保するのは大変だったが、なんとか友人3人と一緒に列車に乗ることができた。

(2018年 ロイター /Umit Bektas)

「とてもノスタルジックな経験だった」と、ユルマズさんは言う。「個室でパーティーを開いて、新しい人に会う良い機会だった。ほかの方法で旅行しても、こんなことはできない」

全員が、夢見ていた旅に出発できたわけではない。

大学生のスイナンさんは、小さな個室に1人で座っていた。個室は、恋人のためにロウソクや虹色の電飾で飾ったという。

大学生のスイナンさん(2018年 ロイター /Umit Bektas)

「何カ月も前から一緒に旅行を計画していたのに、彼女の家族が許してくれなかった。途中で計画を投げ出すのは嫌いなので、それでも1人で来ることにしたんだ」

(撮影:Umit Bektas、文責:Ece Toksabay)

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