[ワシントン 24日 ロイター] - 米アリゾナ州で3月に配車大手ウーバー・テクノロジーズ[UBER.UL]の自動運転車が起こした死亡事故に関し、米運輸安全委員会(NSTB)は24日公表した中間報告で、ウーバーが車両の緊急ブレーキシステムを無効にしていたと指摘した。
事故では、自転車を押しながら4車線道路を横断していたイレーヌ・ハーツバーグさん(当時49歳)が時速39マイル(63キロメートル)で走行していたウーバーの自動運転車にはねられた。
中間報告によると、ウーバーが使用した2017年型ボルボXC90の改修されたレーダーシステムは、事故の5秒前に歩行者を観察したが、「自動運転システムのソフトウエアは歩行者を当初、不明の物体と分類し、その後に自動車、それから自転車として分類した。その過程で、その後の交通経路の予想が定まっていなかった」という。
事故の1.3秒前には自動運転システムが緊急ブレーキの作動が必要と判断した。ところがNSTBによると、ウーバーの説明では、ボルボXC90は「自動車が誤った動作を起こす可能性を低減する」ためコンピューターの制御下にあった一方、緊急ブレーキシステムは無効にされていた。
ウーバーはNTSBの中間報告について直接コメントしなかったが、かつてNTSBの委員長を務めたクリストファー・ハート氏を自社の安全対策に関するアドバイザーに起用したと明らかにした。
ウーバーは24日、NTSBの調査が続けられる中、自社の自動運転車の安全性に関する独自の検証を開始したと説明した。
NTSBは最終報告をいつ公表するかを明らかにしていない。同委員会は通常、事故から1年以内に最終報告を出している。
※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」