[14日 ロイター] - 米配車大手ウーバー・テクノロジーズのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は14日、戦略的ではないとみられる他社への投資を見直し、保有している中国配車サービス大手の滴滴出行(ディディ)などの株式の売却を検討していると述べた。
ウーバーは滴滴との価格競争の末に2016年に中国市場から撤退。事業売却と引き換えに滴滴の株式を取得した。滴滴の6月の届け出によると、現在の株式保有率は12.8%。
コスロシャヒCEOはUBSのアナリストとのオンライン上での談話で、ウーバーが出資している企業の多くが最近上場し、まだロックアップ期間中だが、滴滴を含む多くの株式の売却を検討していると指摘。一部の株式は戦略的理由から保有し続けるものの、「滴滴の株式保有は戦略的なものではないと考えている。滴滴は競合企業であるほか、中国は透明性が非常に低く、事業環境はかなり困難だ」とした。
一方で株式売却を急いでおらず、戦略的ではない株式は「時間をかけて賢く現金化することを検討している」と語った。
ウーバーはインドの料理宅配大手ゾマト、東南アジアの配車最大手グラブなどにも出資している。
滴滴は15日時点でコメント要請に応じていない。
第3・四半期末時点で他社への投資は約131億ドルで、滴滴への投資は41億ドル。
こうした投資は、他社の株式保有が自社事業への投資より魅力的とのシグナルを市場に送るとして、一部の投資家は懸念を強めている。
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