May 13, 2020 / 6:39 AM / 24 days ago

コラム:新型コロナで米料理宅配の再編加速、ウーバーが攻勢

[ニューヨーク 12日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 料理宅配サービスを手掛ける米グラブハブのマット・マロニー最高経営責任者(CEO)が、前のめりな出費を続け巨額の損失を出している業界の現状について、投資家に警鐘を鳴らしたのは昨年10月のことだった。料理宅配セクターは、互いに首を絞めあう市場になり、収益性が高いグラブハブのビジネスモデルが脅かされつつある、との警告だった。だが今、マロニー氏は解決策を手にしたのかもしれない。

5月12日、料理宅配サービスを手掛ける米グラブハブのマット・マロニー最高経営責任者(写真中央)が、前のめりな出費を続け巨額の損失を出している業界の現状について、投資家に警鐘を鳴らしたのは昨年10月のことだった。二ューヨーク証券取引所で2014年4月、新規上場し取引開始のベルを鳴らすグラブハブの経営陣(2020年 ロイター/Lucas Jackson)

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は12日、米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズが、グラブハブを傘下に置きたがっていると伝えた。報道によると、グラブハブ側は株主が1株当たりウーバー株2.15株を受け取る取引を提案したもようだ。11日の両社株価終値に基づくと、グラブハブ株に45%のプレミアムを乗せた水準となる。

料理宅配は、ウーバーのダラ・コスロシャヒCEOが重点的に事業拡大に取り組んでいる分野の1つ。新型コロナウイルス感染の大流行で人々が在宅を強いられているため、料理宅配「ウーバーイーツ」部門の受注件数は、今年第1・四半期に前年比で50%以上も増加した。

マロニー氏は、新規の顧客や飲食店との取引が増え、注文金額の平均が上がり、支払われるチップも増加したと説明している。

同時にマロニー氏は、いずれもソフトバンクグループが支援するウーバーイーツやドアダッシュといった後発組が参入して以来、さまざまな課題が生まれたと率直に認めていた。グラブハブは12日付の声明で「われわれの業界は、再編が合理性を持つ可能性がある」との見解を示した。同社自身が再編の機会に飛びついてもおかしくない。

グラブハブの株価は高騰した。ウーバー株もつれて値上がりした。こうした点から、両社が理にかなった組み合わせだとうかがい知ることもできる。もっとも株式市場が不安定な局面にもかかわらず、恐らく全額株式交換によるディールが想定される以上、買収価格は一貫して交渉の難関になるだろう。

ウーバーがグラブバブを取得した場合、規制当局の厳しい審査にも直面する。グラブハブはニューヨークに強固な基盤がある一方、ウーバーはアトランタで最有力だが、両社が統合されるとシカゴの市場では70%を握ってしまうとセカンド・メジャー社は試算する。この種の市場支配は、独占禁止当局にとって心配の種だ。

とはいえ、パンデミックは思考様式を一変させ得る。

今年4月にはM&A(企業の合併・買収)に消極的な英競争当局が、料理宅配のデリバルーに対するアマゾン・ドット・コム主導の5億7500万ドルの出資を承認した。デリバルーが破綻寸前だったことが理由だった。

グラブハブと同業者の合併についても、米連邦当局は多分、条件付きという形でお墨付きを与えるのではないか。それはまさに、過当競争によるコストを抑制する1つの方法といえる。

●背景となるニュース

*米配車サービスのウーバー・テクノロジーズは、料理宅配サービスの米グラブハブ買収を目指している。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が12日伝えた。

*WSJによると、グラブハブ側は、同社株主が1株当たりウーバー株2.15株を受け取る取引を提案している。これは11日のグラブハブとウーバーの株価終値に基づくと、45%のプレミアムを乗せた水準となる。

*グラブハブの時価総額は11日引け段階で43億ドル、ウーバーは550億ドルだった。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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