April 16, 2019 / 6:51 AM / a month ago

コラム:ウーバーとリフト、背後で操るのはアルファベットか

[サンフランシスコ 15日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米配車大手のウーバー・テクノロジーズIPO-UBER.Nとリフト(LYFT.O)が公表した新規株式公開(IPO)の資料から、グーグルの親会社アルファベット(GOOGL.O)がウーバーとリフトで大儲けしている実態が浮き彫りになった。

 4月15日、米配車大手のウーバー・テクノロジーズとリフトが公表した新規株式公開(IPO)資料から、グーグルの親会社アルファベットが両社で大儲けしている実態が浮き彫りになった。カリフォルニアで3月撮影(2019年 ロイター/Lucy Nicholson)

アルファベットは傘下ウェイモの自動運転技術がウーバーとリフトの事業モデルを脅かすという複雑な関係の中で両社から儲けを吸い上げており、両社を背後から操っている格好だ。

アルファベットはウーバーとリフトに直接投資しており、どちらも大成功を収めそうだ。ウーバーの株式は5.2%相当を2億5800万ドルで取得しており、今後ウーバーがIPOを実施して企業価値が1000億ドルになれば投資資金が20倍に膨らむ計算。3月にIPOを実施したリフトについては遅い段階で5億ドルを出資し、現在の保有株式は約7億2200万ドル相当で、ウーバーへの出資よりも控えめ。それでも2件の出資を合わせるとアルファベットの投資は8倍に膨らむ可能性がある。

グーグル自体もウーバーとリフトで儲けている。ウーバーは2016-18年にかけてグーグル・マップに5800万ドルを支払ったほか、広告など他のサービスに別途7億0200万ドルを支払った。同様にリフトもこの間に計2億0800万ドルを収めている。ウーバーとリフトはドライバーの確保で競合しており、今後もグーグルに対する広告料金の支払いは続くだろう。

しかしアルファベット傘下の自動運転車部門ウェイモが関わると、こうした構図は複雑さを増す。

ドライバーが最大の経費であるウーバーとリフトにとってウェイモの自動運転技術は脅威だ。ウェイモはフェニックスで自動運転者の商用サービス試験を計画しており、カリフォルニア州では自動運転者の公道走行実験の許可を得ている。しかしウェイモは特許訴訟での和解に伴い、ウーバーの優先株0.3%相当も保有している。この訴訟の結果、ウーバーはライセンス料の支払いや設計の変更を迫られる可能性があると専門家は指摘している。

アルファベットは2016年まではウーバーの取締役会の座を確保していたが、ウェイモがウーバーと競合したため役員の派遣を取りやめた。リフトではアルファベット傘下のキャピタルGインベストメントのパートナーが取締役に就いている。

つまり時価総額8480億ドルのアルファベットはウーバーとリフトにとってサプライヤーであり、投資家であり、同時にライバルでもあるということだ。投資家の獲得競争で3社のうちどこが勝ちを収めようとも、鍵を握るのはアルファベットだ。

●背景となるニュース

・ウーバーが11日公表した新規株式公開(IPO)の仮目論見書によると、米アルファベットの複数の傘下企業が保有するウーバー株は合わせて7110万株近く、全体の5.2%相当に達している。

・さらにアルファベットの自動運転車部門ウェイモは、自動運転技術を盗用されたとしてウーバーを訴えた訴訟で2018年に和解した際に、ウーバーから転換権付優先株510万株も取得した。仮目論見書によると、ウェイモとの知的財産権を巡る紛争は継続しており、ウーバーは特許のライセンス料の支払いや設計の変更を迫られる恐れがある。

・またウーバーは2016ー18年にかけてグーグル・マップに5800万ドルを支払い、この間に広告などのサービスの代価としてアルファベットに別途7億0200万ドルを支払った。

・アルファベットの傘下企業はウーバーのライバルである米リフトの5.3%株式も保有している。リフトもグーグル・マップに依存しており、2016-18年にかけて広告などのサービスのためにアルファベットに2億0800万ドルを支払った。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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