February 1, 2019 / 3:23 AM / 6 months ago

アングル:ユーロ圏国債市場、ECB退場でも利回りは低下

[ロンドン 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は3年余り続けた資産買い入れプログラムを昨年12月に打ち切り、ユーロ圏国債市場は大口の買い手を失った。しかし主要市場では年明け後に国債相場が上昇して利回りが低下しており、ECBの買い入れ停止で国債が売られるとの不安は杞憂に終わった。

 1月30日、欧州中央銀行(ECB)は3年余り続けた資産買い入れプログラムを昨年12月に打ち切り、ユーロ圏国債市場は大口の買い手を失った。写真は2015年、フランクフルトのECB本部ビル(2019年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

ドイツ、フランス、イタリアの主要3市場は1月全体として10年物国債利回りがいずれも低下する見込み。3市場の利回りが1月にそろって下がれば、2016年以来となる。

フランスの10年物国債利回りFR10YT=RRは月初から10ベーシスポイント(bp)低下し、月間で8カ月ぶりの大幅な下落を記録する見通し。スペインの10年債も利回りES10YT=RRの低下幅も16bpと、昨年3月以来の大きさになりそうだ。

ユーロ圏の景気がわずか数カ月と比べても弱くなっている点を考えれば、今年の国債相場が堅調なスタートを切ったのは驚くに当たらない。英国の欧州連合(EU)離脱や米中貿易摩擦を巡るリスクも加わり、ECBの金融政策に関しては利上げ観測が後退し、代わって景気テコ入れ策の必要性が話題に上っている。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチがまとめた資金動向調査では、1月23日に終わった週の債券ファンドへの純流入は52億ドルと2017年8月以来最大。一方、株式市場からは差し引き5億ドルが流出した。

VTBキャピタルのグローバル・マクロ・ストラテジスト、ニール・マッキノン氏は「世界の成長サイクルが頭打ちとなる一方で、物価は一向に上向かず、中央銀行は再び景気刺激策の導入に向かわざるを得ないかもしれない」と話す。

「債券市場では、今年はQE(量的金融緩和)からQR(量的金融引き締め)に転換するという大きな絵図が描かれていた。こうした転換は一夜限りの夢に終わり、すぐに元の木阿弥になった」という。

ECBは保有国債の償還資金再投資で市場を支え続けているが、新規の資産購入は停止した。それでも景気減速を背景に、複数年の銀行向け資金供給を再開するとの憶測が流れている。

スペインとイタリアが銀行によるシンジケート団を通じて実施した長期債の発行では引き合いが過去最大となり、ECBの買い入れ停止で投資家が低格付けの市場を敬遠した様子は見えない。

米ヘッジファンド、ハイダー・キャピタルのサイード・ハイダー最高投資責任者(CIO)は「ECBの(量的緩和)停止で問題となるのは、ECBに保有国債を売っていた外国人など他の投資家が市場に戻るかどうかだ」と指摘。市場では昨年の株価下落への懸念が広まっており、投資家は株式投資でリスクを背負うのを避けて政府債に回帰しつつあると付け加えた。

ユーロ圏は、財政支出を巡るイタリアとEUの対立が一服して政治リスクが後退。ユーロ建て債が為替ヘッジのコストを勘案すると非欧州の投資家にとって魅力的である面も、ユーロ圏国債市場にとって追い風となっている。特に日本の年金基金などの大口投資家は、利回りスプレッドの水準から見てフランスとスペインの債券購入に前向きになると予想される。

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