August 21, 2018 / 11:02 PM / 3 months ago

英国、外為市場の規模拡大 EU離脱決定後もトップ維持

[ロンドン 21日 ロイター] - 英国は、欧州連合(EU)離脱を決めた2016年以降、2年間で外国為替取引の最大市場として規模をさらに拡大した。19年にEUを離脱した後も世界最大の金融センターの地位を維持することを示唆する。

 8月21日、英国は、欧州連合(EU)離脱を決めた2016年以降、2年間で外国為替取引の最大市場として規模をさらに拡大した。写真は米ドルと英ポンド紙幣。2017年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White)

EU離脱は英国にとって、金融センターとしての地位に支障をきたすとみられていた。多くの雇用や企業が海外に流出している。ただロイターの分析によると、離脱まで8カ月となった今、英国は外為市場の支配力を強めているもようだ。

外為取引は世界で最も市場規模が大きく、密接に結びついている。世界規模の航空会社や資産運用会社などが日々、何兆ドル規模もの取引に利用し、ロンドンの金融サービス業の中で主要な部門だ。

ロイターは外為取引で上位5つの市場における中央銀行の調査を分析。英国は、EU離脱を問う国民投票が行われた16年4月から18年4月までの2年間で外為取引高が23%増加し、過去最高水準となる1日平均2兆7000億ドルを記録。世界トップの地位を維持した。2位の米国における伸びのペースはその半分以下で、11%増の9940億ドル。大半がニューヨークでの取引だ。

世界的に見て5分の2の取引が英国で行われており、そのほとんどがロンドンに集中している。1日当たりの取引高は英国の年間国内総生産とほぼ一致する。

次に大きな市場がシンガポールで、同期間に5%減の5230億ドルとなった。続いて香港が10%増の4820億ドル、日本が2%増の4150億ドルだった。

カス・ビジネス・スクールの教授を務める元外為トレーダー、キース・ピルビーム氏によると、外為取引は利幅が比較的少ないものの、その他の事業が付随する傾向が強い。銀行は外為と組み合わせて金利商品や株式・債券発行、合併・買収(M&A)支援などのサービスを提供することができるという。

銀行員やトレーダーらは取引が総じて増えている理由として、英国のEU離脱を含む世界各地で見られる政治的な先行き不透明感を挙げる。トランプ米大統領の政策のほか、米国や中国、EUなどの貿易摩擦も指摘した。こうした中、ロンドンの時間帯は、米国とアジアの間にあり、それが有利に働いているという。

取引高の増加は、大手金融機関にとって追い風となる。投資家らは価格を大きく左右せずに大型取引をできる規模の市場で売買したいからだ。みずほ銀行(ロンドン)のヘッジファンドセールス責任者ニール・ジョーンズ氏は「米国であれ欧州であれ、市場を動かすような大きなニュースはロンドンの取引時間中に出てくるため、地理が有利に働いている」と語る。「英国のEU離脱を巡る先行き不透明感はあるものの、ロンドンの時間帯と言語、最大規模の市場を有する強みなどがマイナス要素を上回る」と付け加えた。

英国が外為市場の支配力を強めていても、EU離脱による打撃がないと断言することはできないと専門家らは言う。ただ銀行にとって、ロンドンの金融センターで大規模な国際的事業を維持する魅力があることを強調する分析内容だと述べた。

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