[モスクワ 17日 ロイター] - ロシアでは昨年、ウクライナ戦争を巡る欧米の経済制裁で自動車産業が大打撃を受けて新車販売が半分以下に落ち込み、中古車市場が拡大した。自動車の生産台数が激減、新車価格が高騰し、購入者は安価な中古車に流れている。
対ロシア制裁の効果についてはアナリストの間で論争が続くが、外国メーカーや輸入部品に依存するロシア自動車産業が大きな打撃を受けたことは間違いなさそうだ。
昨年の新車購入総額は前年比52%減の1兆5000億ルーブル(204億ドル)、新車販売台数は58.8%減少した。欧米の自動車メーカーがロシアでの生産を停止し、工場を売却したため、自動車生産台数は1991年のソ連崩壊以来の低水準に落ち込んだ。
調査会社アウトスタトのデータによると、インフレによる値上がりと生活水準の低下により、2022年に新車と中古車合わせた自動車購入総額は15%余り減少したが、うち中古車は14%増加した。その結果、全自動車販売に占める中古車の割合は約75%と、21年の55%から拡大した。
アウトスタトのセルゲイ・ウダロフ最高経営責任者(CEO)は、「資金が中古車市場に流れ込んで中古車の価格は持ちこたえた。だが同時に新車市場の構造が大きく変化した」と分析。「価格が200万ルーブル程度と安い国産車ラーダや中国車は新車市場に踏みとどまっているが、プレミアムブランドはほぼ完全に姿を消した」と述べた。
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