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半導体大手各社、ウクライナ侵攻による供給網混乱は限定的と予想

 2月24日、世界の半導体大手各社は、ロシアのウクライナ侵攻による供給網の混乱は限定的にとどまると予想している。マレーシア・イポーで2021年10月撮影(2022年 ロイター/Lim Huey Teng)

[東京/台北 24日 ロイター] - 世界の半導体大手各社は、ロシアのウクライナ侵攻による供給網の混乱は限定的にとどまると予想している。素材の在庫積み上げや調達の多様化を進めたことが奏功するためだ。だが業界関係者の間では、影響は長期にわたって続く恐れがあるとの声も聞かれる。

調査会社テックセットによると、ウクライナは米国の半導体製造に使われているネオンの90%以上を供給。ロシアは米国で使われるパラジウムの35%を提供している。パラジウムはセンサーやメモリーに使われている。

日本のある半導体業界関係者は「半導体メーカーは直接的な影響を感じていないが、メーカーに半導体生産のための素材を供給している企業は、ネオンやパラジウムといった素材をロシアとウクライナから調達している」と指摘。「これらの素材の需給は既に逼迫しているため、供給がさらに圧迫されれば、価格を押し上げる可能性がある。その結果、半導体価格の値上げにつながる恐れがある」と述べた。

だが各社は、近年の供給網混乱や紛争を受けて、こうした事態に備えている。

半導体メーカーのマイクロン・テクノロジーは「ロシアとウクライナ間の緊張に伴って素材の供給が混乱する可能性があるとの説は、半導体業界にとって懸念すべき問題だ」と指摘。しかし同社は「調達先を多様化」してきたと説明した。

台湾積体電路製造(TSMC)、サムスン電子、インテルなどの半導体メーカーに半導体製造装置を供給しているオランダのASMLは23日、同社はネオンの代替調達先を調査していると明らかにした。

韓国の半導体大手SKハイニックスのリー・ソクヒー最高経営責任者(CEO)は先週、記者団に対し、同社は半導体の素材を「大量に確保」しているため「心配する必要はない」と語った。

インテルは影響は全くないと予想していると表明。グローバルファウンドリーズは、直接的なリスクを想定しておらず、ロシアとウクライナ以外から調達できるよう柔軟な態勢を取っていると説明した。台湾の半導体大手、聯華電子(UMC)も同様だ。

半導体受託製造で世界最大手のTSMCは「現時点では」コメントを拒否するとしている。台湾の半導体検査・封止企業のASEテクノロジーは「今のところ」素材の供給は安定していると説明した。

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