[キーウ 16日 ロイター] - ウクライナのIryna Mudra司法副大臣は今週ロイターの取材に対し、ロシアから軍事侵攻による損害賠償を確実に受け取るための取り組みについて、一部同盟国が法的前例を作る可能性を恐れ、進展を妨げていると指摘した。
国連が昨年、ロシアに損害賠償を求める決議を採択したのを受け、同盟国の間で法的整備などの交渉が行われている。ウクライナは、西側諸国が凍結したロシア中央銀行の外貨準備などをウクライナに送金し、復興資金に充てるための法的根拠作りに向けて国際的合意を取り付けたい意向だ。
Mudra氏によると一部の国々は、そうした前例を作ると自国が過去に関わった紛争を巡って賠償を求められ、海外資産が危険にさらされかねないと懸念している。具体的な国名には触れなかった。
同氏は、今回の取り決めは甚大な侵略戦争だけに適用され、「他の紛争には使われないようになっている」と訴え、懸念払拭に努めていると明かした。
ウクライナ政府は年初、ロシアの侵攻による経済的損失は7000億ドルを超えており、自国では賄い切れないためロシアからの賠償が不可欠だと表明した。
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