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黒海経由のウクライナ産穀物輸出に暗雲、ロシアの合意停止で

[ロンドン/シンガポール 1日 ロイター] - 黒海経由のウクライナ産穀物輸出が31日、国連の仲介による輸出合意以降で最大に膨らんだ。ただ、ロシアは合意への参加を一方的に停止したのに続き、同国が安全を保証できない状態で輸出を継続することは「ほぼ不可能」と主張しており、先行きに暗雲が垂れ込める。

 黒海経由のウクライナ産穀物輸出が10月31日、国連の仲介による輸出合意以降で最大に膨らんだ。写真はトルコ・イスタンブールで撮影(2022年 ロイター/Mehmet Emin Calsikan)

ロシアは29日、ウクライナがクリミア半島に大規模なドローン攻撃を仕掛けたことを理由として、輸出合意への参加を停止。ペスコフ大統領報道官は31日、穀物輸出が「はるかに高リスクで危険、保証なし」の状態になったと警告した。

ただ、ロシア以外の当事者は合意の継続を主張。当事者ではないフランスもまた、陸路によるウクライナからの穀物輸出を拡大する方策について欧州連合(EU)各国と協議していることを明らかにした。

7月22日に締結した輸出合意ではウクライナの3つの港を出発する穀物船が安全を保証された状態で通る回廊を設定。世界的な食料危機に対応する狙いがあった。

国連人道問題調整室(OCHA)のグリフィス室長(事務次長)は31日、回廊は軍事行動の隠れみのではないと述べ、ロシアがクリミア半島セバストポリ近郊の黒海艦隊が攻撃受けたとしている10月29日の夜、回廊を航行していた船舶はなかったと述べた。

一方、ウクライナ南部オデーサ(オデッサ)の軍報道官によると、31日に同国を出港した船舶には、合意下で最多となる35万4500トンの農産物が積み込まれた。

ウクライナ産穀物輸出の調整官を務める国連のアミール・アブドラ氏はツイッターで「民間貨物船が軍事目標や人質になることは到底容認されない。食料を流通させるべきだ」と強調した。

合意を仲介したトルコは継続させる考えを強調。イスタンブールにはウクライナからの貨物船の運航を監視する「合同調整センター」が設置されている。

トルコのエルドアン大統領は「ロシアが(ウクライナと同じ)恩恵を受けていないとして後ろ向きの態度を示したとしても、われわれは断固として人類に仕える努力を続ける」と語った。同国のアカル国防相はこの日、ロシアのショイグ国防相と電話で会談し、合意への参加停止を考え直すよう促した。

<穀物価格は上昇>

31日に小麦の国際価格は上昇。米シカゴ商品取引所の先物価格は約5%上昇し、1ブッシェル8.71ドルとなったが、3月に付けたピークは大幅に下回っている。

取引業者らは、ロシアの合意停止でアフリカや中東向けに出荷が予定されている数十万トンの小麦が危険にさらされていると指摘。EU向けのトウモロコシ輸出についても懸念が強まっている。

英ロイズ保険組合の保険会社は、回廊経由の穀物輸出に対する新規の保険引き受けを一時停止すると発表した。

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