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ウクライナにサイバー攻撃、ロシア軍一部撤収でも警戒続く 外交努力継続

[モスクワ/ワシントン 15日 ロイター] - ロシアとウクライナを巡る情勢が緊迫化する中、15日はロシア国防省がウクライナとの国境付近での軍事演習を終えた軍の一部部隊が基地に帰還しつつあると明らかにした。一方、ウクライナは同国の国防省と銀行2行がサイバー攻撃を受けたと発表。侵攻はサイバー攻撃から開始されるとの見方もある中、警戒が高まっている。

ウクライナの戦略コミュニケーション・情報セキュリティーセンターは、ウクライナ国防省が15日にサイバー攻撃を受け、同省ウェブサイトへのアクセスが停止されたと発表。サイバー攻撃を実施した主体は発表されていないが、声明ではロシアの関与を示唆した。

欧州の外交筋は匿名を条件に、ロシアによるウクライナ侵攻はサイバー攻撃から開始される可能性があるため、今回の攻撃は懸念に値すると指摘。「(サイバーでない)物理的な攻撃が近く実施されるか、ロシアがウクライナに干渉し続ける可能性があることを意味している」と述べた。

米ホワイトハウスは、ウクライナに対するサイバー攻撃に関する報告は承知しているとした上で、ウクライナ政府に対し調査と対応の面で支援を提供していると明らかにした。

ロシア連邦保安局(FSB)からコメントは得られていない。

<外交努力継続>

ロシアがウクライナとの国境付近での軍事演習を終えた軍の一部部隊が基地に帰還しつつあると表明する中、ロシアと西側諸国は外交努力を継続。

ロシアのプーチン大統領はこの日、モスクワでドイツのショルツ首相と会談し、ロシアはミサイルなど安全保障を巡る問題に関する西側諸国との協議を継続する用意があると発言。ショルツ首相はウクライナ近郊からのロシア軍の一部撤退を歓迎するとし、「外交的な可能性はまだ尽きていない。解決策を見出すことは可能なはずだ」と述べた。

こうした中、米国のブリンケン国務長官とロシアのラブロフ外相がこの日、電話会談を実施。ラブロフ外相はブリンケン長官に対し、協力継続の必要性を強調し、安全保障に関する実利的な対話を求めた。ブリンケン氏はウクライナ侵攻が可能になっていることを米国は懸念していると伝え、「検証可能で信頼できる意義のある」緊張緩和が必要との考えを表明。危機解決に外交手段を追求していく意向を改めて示したほか、欧州の安全保障に関するロシアの書面での回答に期待していると伝えた。

<ロシア下院が親ロ地域の独立承認要請>

外交努力が続けられる中、ロシア下院はウクライナ東部の親ロシア派が実行支配する2地域の独立を承認するようプーチン大統領に要請する案の採決を行い、承認した。

ウクライナ東部ドンバス地域の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立が承認されれば、ウクライナ東部の停戦と和平への道筋を示した2015年の「ミンスク合意」が根底から覆されるため、ロシアと西側諸国との間の対立が一段と深まる恐れがある。

プーチン大統領は記者会見で、どのように対応するかは明言しなかったものの、ロシアはドンバス地域の問題をミンスク合意を通して解決することを望んでいると述べた。

北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長はブリュッセルで記者団に対し「(独立が)承認されればウクライナの領土保全と主権に対するあからさまな侵害となる。ドネツクとルガンスクは疑いなく、国際的に認められたウクライナの国境内にある」と指摘。「ミンスク合意にも違反し、同合意に基づく政治的解決の模索が一段と難しくなる」と懸念を示した。

ミンスク合意は、フランス、ドイツ、ロシア、ウクライナで構成する「ノルマンディー」グループが策定。フランスのルドリアン外相は、ロシアがドンバス2地域の独立を承認すれば「武器を使用しない攻撃」に相当するとして、警戒感を示した。

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