[キーウ 6日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領に近い与党幹部は6日、週内に国防相交代の予定はないと述べ、前日の発言を事実上撤回した。ロシア軍が大規模攻勢を準備しているとみられるなか、指導部人事を巡る混乱は戦局に影響を及ぼしかねない。
与党幹部のダビド・アラハミヤ氏は5日、レズニコフ国防相の後任に国防省のキリロ・ブダノフ情報総局長が就任し、レズニコフ氏は戦略産業相になると述べていた。
この問題に関してゼレンスキー氏は沈黙を守り、レズニコフ氏は5日、異動について何も聞いていないと述べるとともに、経験がないことを理由に戦略産業相の職は受けない意向を示した。
ゼレンスキー氏はここ2週間、汚職対策を加速させてきた。中央・地方政府の多数の高官が解任され、国防省は市場よりはるかに高い価格で食料を調達したとして批判を受けている。レズニコフ氏個人の不正は疑われていない。
ゼレンスキー氏は西側からの多額の援助を安全に管理できることを示す必要があると指摘。しかし、政府幹部の締め付けによってロシアの侵攻に対するこれまでの強い結束が揺らぐ危険性がある。
一方、ロシア軍はウクライナ東部で約6カ月ぶりに部隊を前進させている。東部ルガンスク州のガイダイ知事は、ロシア軍は大規模攻勢に備え、兵力や装備を追加投入していると指摘。「2月15日以降は(大規模攻勢が)いつ始まってもおかしくないと想定できる」と語った。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」