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焦点:ウクライナ軍反転、ヘルソン奪還に不可欠な西側兵器の追加供与

[ミコライウ(ウクライナ) 15日 ロイター] - ウクライナ南部・ヘルソン市に迫りつつあるウクライナ軍の兵士は、黒海沿岸における戦略上の要衝であるヘルソン市をもう少しで奪還できると手応えを感じている。

 ウクライナ南部・ヘルソン市に迫りつつあるウクライナ軍の兵士は、黒海沿岸における戦略上の要衝であるヘルソン市をもう少しで奪還できると手応えを感じている。写真は破壊されたロシア軍の戦車と車両。ミコライウで12日撮影(2022年 ロイター/Edgar Su)

陸軍士官のセルギー氏は、ミコライウ市とヘルソン市を結ぶ高速道路沿いの塹壕で「ヘルソンまで15分で到達できる。南部の部隊は準備ができている。後は兵器の到着と命令を待つだけだ」と意気軒高に語った。

しかし、軍事アナリストによると、ウクライナ軍が大規模な反転攻勢の一環としてヘルソン市までの最後の30キロほどを本気で進軍するには、兵器と人員の大量の補給がなければ困難だ。

キーウ(キエフ)のアナリスト、オレグ・ジダーノフ氏は「すぐに実現することはあり得ない。ヘルソンのような地方主要都市の攻略は、再武装によって初めて可能になる」と指摘。現在到着している西側の兵器は、なお「大海の一滴」に過ぎないという。

<戦術的勝利>

ヘルソン州知事顧問のフラニ氏は今週初め、ウクライナのテレビ局に対し、ウクライナは南部において2週連続で領土を奪還し、戦術的勝利が「反転攻勢に変わりつつある」と述べた。

ウクライナ軍は数カ所で前進し、ロシアからヘルソン州の支配権を取り戻している。これまでにロシアが完全な掌握を発表しているのはヘルソン州だけだ。

そのためミコライウ市とヘルソン市では、楽観的な雰囲気が広がっている。

あるヘルソン出身の女性は、避難した西部から家族とともに前線近くに移動し、今後数週間のうちにヘルソン市か、あるいは少なくとも付近にあるいくつかの小都市が解放されるのを待っていると語った。

ミコライウの行政トップは先週、ロイターに対し、ウクライナの大規模な反撃は「時間の問題だ」と述べた。

ウクライナは、ロシア軍が占領地域から撤退して初めて和平交渉が可能になると主張しており、反撃を成功させ、穀倉地帯であるヘルソン州全土を奪還することが極めて重要だ。

<道半ば>

だが、部隊は前進こそしているが、前線はミコライウとヘルソンを結ぶ60キロメートルの高速道路の中間付近にとどまっている。

また、南部のウクライナ軍はこの数週間、米国から「M777」榴弾砲の配備を受けたものの今のところ数が足りず、ウクライナは依然として砲門数の面で劣勢だと当局者は話した。

橋梁下に隠された、ソ連時代に設計された迫撃砲を受け持つ工兵は、西側の新兵器について「配備されていることは知っている。発射を見たこともある。だが、多くが稼働しているのを目にしたわけではない」と話した。

米国が供与を約束した、射程の長い高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」がいつ配備され、戦果を上げ始めるのか、地元の当局者は誰も見通しを示せなかった。

ミコライウのセンケビッチ市長は、インタビューで「新しい長距離兵器以外に戦況を大きく変えられるものはない。この長距離砲が配備されれば、すぐに攻撃を開始できる」と明言した。

ウクライナ大統領府長官顧問のアレストビッチ氏は今週、西側諸国は兵器供与の限界を認識しつつ、ロシアを交渉のテーブルにつかせるため、十分な量の兵器提供を決意していると明かした。

<兵員も不足>

戦争開始以来、ウクライナ軍に多くの志願兵が入隊したが、ミコライウ州のキム知事は、大規模な反撃にとって兵員の数が重要な問題となるかもしれないと警鐘を鳴らした。

キム氏はロイターに「兵力については難しい状況だ。多くの兵士を失うわけにはいかない」と述べ、全面的な反転攻勢は、さらなる兵士動員か東部からの部隊帰還を待つ必要があるかもしれないと説明した。

センケビッチ市長は、ウクライナ側が開けた場所で攻撃を成功させるにはロシアに対して兵力で3対1の優位、ロシアの塹壕を攻撃するには5対1の優位がそれぞれ必要かもしれないと述べ「攻撃部隊の規模をもっと大きくしなければならない」と訴えた。

(Conor Humphries記者)

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