[ロンドン/フランクフルト/グダンスク 2日 ロイター] - ロシア国営ガスプロムは2日、サンクトペテルブルク近郊のポルトバヤ圧縮機ステーションで主要ガスタービンの油漏れが見つかったとし、問題が解消されるまで「ノルドストリーム1」を介する欧州へのガス供給は再開されないと発表した。
供給再開の時期は明示しなかった。
ガスプロムは対話アプリ「テレグラム」を通して発表した声明で、油漏れ検出の報告書に「シーメンスの代表も署名している」とし、シーメンスが修理は「専門の工場」でしか行えないと伝えてきたとした。
シーメンス・エナジーは同日、ガスプロムが指摘したポルトバヤ圧縮機ステーションでの主要ガスタービンの油漏れはガス供給を停止する技術的な理由にはならないと指摘。「このような油漏れは通常、タービンの稼働に影響を与えることはなく、現場で漏れを止めることができる。これはメンテナンス作業の通常の手順だ」とした。
また「過去にもこの種の油漏れの発生が操業停止につながることはなかった。シーメンス・エナジーは現在、メンテナンス作業を請け負っていないが、待機している」としたほか、「ポルトバヤ圧縮機ステーションにはノルドストリーム1の稼働に十分な他のタービンがあるとすでに何度も指摘している」とした。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長はガスプロムの発表に先立ち、ロシアのプーチン大統領によるEUエネルギー市場の操作を阻止するために、欧州はロシアからパイプラインを通して供給を受ける天然ガスに価格上限を設定する必要があるとの考えを表明。これに対しメドベージェフ・ロシア前大統領は、EUが価格上限を設定すれば、ロシアは欧州向けの供給を停止すると表明していた。
ガスプロムは点検のため、8月31日からノルドストリーム1によるガス供給を停止。3日には供給が再開されると見通しだった。
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