[ワシントン 16日 ロイター] - インドの一部精製業者がロシア産原油を、西側が設定した上限を超える価格で購入していることについて、米政府の高官は16日、ロシアが恩恵を受けているわけではないとの見方を示した。
主要7カ国(G7)と欧州連合(EU)、オーストラリアはロシアのウクライナ侵攻を受けた対ロシア制裁の一環として、ロシア産原油に1バレル当たり60ドルの上限を設定した。ロシアから輸出される原油の大半は価格が上限を下回っているが、インドの精製業者による購入分の一部は上限を上回っている。
高官は、インドの精製業者が上限を超える価格で購入した理由として、アジアへの長距離輸送なので輸送・保険コストが膨らんだと説明した。
高官は「輸送コストが増え、ここ数週間で買い手側にとって全体としての経費が増した」と説明。「だが市場では、上限を大きく下回る価格で取引されている」と述べた。
さらに高官は「上限が導入された際、ロシア産原油はロシア以外の原油と比べて大幅に割安になった。以後、その大きな価格差は安定的に推移している」と話した。
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