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コラム

コラム:マスク氏がツイッター取締役に、「熱狂」相場は既に終了

[ニューヨーク 5日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米ツイッターは即座に行動を起こした。米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がツイッター株を9%取得したことが4日に開示されるやいなや、同氏を取締役に指名した。これは正しい判断だ。

 米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO、写真)がツイッター株を9%取得したことが4月4日に開示されるやいなや、米ツイッターは即座に同氏を取締役に指名したが――。2019年6月、米ロサンゼルスで撮影(2022年 ロイター/Mike Blake)

テクノロジー企業の経営で確かな実績を持ち、8000万人以上もフォロワーがいるマスク氏を抱え込むことは、同氏が独自のプラットフォームを立ち上げるのを防ぐ保険となる。ただ、マスク氏の株式取得が明らかになって以降、ツイッターの時価総額は既に約100億ドル(約1兆2400億円)も増加した。同氏の取締役就任は、これほどの急伸を正当化するものではない。

マスク氏とツイッターの関係は長い。ソーシャルトラッカーの調べでは、マスク氏のフォロワー数は世界第8位。ツイッターの利用方法も自由奔放だ。過去にはテスラの非公開化についてツイートして炎上したほか、ツイッターが言論の自由の原則を守っていないのではないかと疑問を呈する投稿さえあった。ユーザーは、「バズる」ツイッターの性質をマスク氏が維持してくれると望んでいる。

マスク氏は、トランプ前米大統領のように独自のソーシャルメディア企業を始める可能性をちらつかせていた。同氏を取締役に据えることは、そうした行動を防ぐ効果がある。マスク氏はテスラのCEOとして、巨大産業を引っかき回した実績もある。多くの批判をはねのけ、テスラを業界首位のEV企業に育て上げた。テスラ株は過去5年間、配当を含めて1800%近くのリターンを実現した。ゼネラル・モーターズ(GM)はこの数字が約40%、フォード・モーターは75%だ。

ただ、マスク氏の経験がツイッターの株主価値にどう反映されるかとなると、別問題だ。同氏はツイッターの機能向上についていくつかヒントを示している。ツイッターに編集ボタンを加える案についてアンケートを行ったツイートは、ツイッターのパラグ・アグラワルCEO自身が4日にリツイートした。しかしマスク氏にはテスラCEOとしての課題が山積している。また、テスラはツイッターを企業情報の拡散に利用した最初の大企業の1つだが、今ではツイッターの価値に気付いていない、もしくは利用していない大企業を見つけることが難しくなって久しい。そしてマスク氏は、ツイッターのもう1つの事業である広告に関しては経験を持たない。

しかも、約30%もの企業価値の急拡大を正当化するには、マスク氏が6500万人ほど新規フォロワーを呼び込む必要があるだろう。これはツイッター公式アカウントのフォロワー数を上回る数だ。リフィニティブによると、ツイッターの予想売上高に対する時価総額の倍率は6倍と、メタ(旧フェイスブック)の倍率を既に40%近く上回っている。

●背景となるニュース

*ツイッターは4日、テスラのイーロン・マスクCEOを取締役に指名すると発表した。同日の米証券取引委員会(SEC)への開示書類で、マスク氏がツイッター株式を9.2%取得して筆頭株主になったことが明らかになっていた。

*マスク氏は、取締役在任中と退任後90日間、株式保有率を14.9%以上に引き上げないことに合意した。

*マスク氏は先月のツイートで、ツイッターが言論の自由の原則を「厳守」していないのではないかと疑問を呈し、別のプラットフォームの創設を検討していることを明かした。SECの書類を見ると、いずれの投稿もツイッター株を買い増した後に行っている。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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