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[モスクワ/ワシントン 25日 ロイター] -
ロシアとベラルーシは25日、ロシアの戦術核ミサイルをベラルーシ領内に配備することを正式決定する協定に調印した。ロシア側は、西側諸国との緊張の高まりがきっかけだと説明した。
ロシア国営タス通信は、ロシアのショイグ国防相の発言を引用し、「ロシアとベラルーシの西側国境における脅威が極めて急激にエスカレートしている状況において、軍事・核分野で対抗措置を講じることが決定された」と伝えた。
ショイグ氏によると、戦術核兵器はロシアが管理し、使用に関する決定はロシアが下す。
ウクライナ紛争を巡って緊密な同盟関係にある両国は今年、ロシアの戦術核兵器の一部をベラルーシに配備することに合意した。
タス通信によると、ショイグ氏は通常弾頭または核弾頭を搭載できる「イスカンデルM」ミサイルがベラルーシ軍に供給され、一部のSu―25攻撃機が核兵器使用の可能性に備えて改造されたと述べた。ベラルーシ軍の兵士はロシアの訓練センターで必要な訓練を受けているという。
ショイグ氏によると、ベラルーシと交わした協定にはベラルーシ領内に核兵器の特別貯蔵施設を設置するための手続きも含まれている。
ロシアは戦術核兵器の保有数を明らかにしていない。
ベラルーシのルカシェンコ大統領は記者団に対し「核兵器の移転はすでに始まった」と記者団に語った。しかし、クレムリン(ロシア大統領府)はこの情報を確認していない。
また、核兵器がすでにベラルーシ領内にあるかという質問に対しては「可能性はある。戻り次第確認する」と応じた。
米ホワイトハウスのジャンピエール報道官は、ロシアの動きを「無責任かつ挑発的な選択の例」としながらも、米政府が核態勢を調整する理由はないという認識を示した。
米国務省のミラー報道官も、米国はロシアがベラルーシに戦術核兵器を配備する合意を強く非難するとしつつも、米国の核態勢を見直す理由はないと述べた。ロシアが核兵器使用の準備をしている兆候も確認していないとした。
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