[ロンドン 11日 ロイター] - ロシアは11日、国営ガス大手・ガスプロムの元ドイツ子会社、ガスプロムゲルマニアなどに制裁措置を導入した。
ロシア産天然ガスを欧州に輸出するパイプライン「ヤマル・ヨーロッパ」のポーランド部分を運営する「EuRoPol・GAZ」も対象とした。
ガスプロムは、欧州向けガスの大半を同パイプラインを通じて供給している。
ロシア政府のウェブサイト上のリストに掲載された制裁対象は、欧州連合(EU)など対ロシア制裁を導入した国に本拠を置く企業が大部分を占める。
制裁による欧州向けガス供給への影響は現時点で不明だが、ロシアのプーチン大統領は今月3日の大統領令で、ロシア企業は制裁対象の個人や企業との取引が禁止され、既存契約での義務を履行することも禁じられると規定。制裁対象への製品・原材料輸出を禁止すると明記していた。
ロシアのインタファクス通信によると、EuRoPol・GAZとガスプロムゲルマニアに加え、スイス、ハンガリー、英、仏、ブルガリア、ベネルクス地域、米、ルーマニア、シンガポールにあるガスプロムゲルマニアの関連会社29社が制裁対象という。
ガスプロムは4月、理由を示さずにガスプロムゲルマニアを手放し、独エネルギー当局が現地事業を管理下に置いた。
独経済省は、ロシアの発表を精査中だが、まだ詳細不明だと述べた。その上で、ガス供給は現時点で確保されており、状況を絶えず注視しているとした。
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