[アンカラ 3日 ロイター] - トルコ政府高官は、ロシアのラブロフ外相による来週のトルコ訪問に関し、ウクライナの黒海沿岸の港から穀物輸出を再開する計画が進展することを期待していると表明した。ロシア、ウクライナ両政府は条件付きながら解決を望んでいると指摘した。
ロシア政府は2日、支払い方法などの課題は残っているものの、この計画にオープンだと表明していた。この高官はさらに前向きな進展の可能性があると語った。
ウクライナ戦争によって穀物や肥料の価格が高騰し、世界的な食糧危機の恐れが高まっている。このため国連は、オデッサなどウクライナの港からの海上輸送ルートを再開する計画を提案している。
トルコはウクライナ、ロシア両国と海を挟んで隣接しており、合意に至れば「監視メカニズム」の一端を担う用意があるとしている。この場合はウクライナから出てトルコの海峡を通過するタンカーを、トルコ海軍が護衛する可能性がある。
トルコのチャブシオール外相は6月8日、ロシアのラブロフ外相を招いて計画について会談する。
高官はロイターに対し「トルコはこの件に関し、当事者たちとしばらく交渉してきた。ロシアにはいくつかの条件があるが、進展の期待がある。ロシアはウクライナや他の国々と同様、この問題の解決を望んでいる」と語った。その上で「いくつかの具体的な成果が出る可能性があるが、製品購入や送金などの技術的で難しい問題もある」とも言及した。
ウクライナのバシーリ・ボドナル駐トルコ大使は、ロシアがウクライナから盗んだ穀物をトルコの買い手などに出荷、販売しており、ウクライナ政府はトルコ当局に売り手と買い手を特定するために協力を求めたと語った。
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