[ワシントン 28日 ロイター] - 米国のコリン・カール国防次官(政策担当)は28日、ロシア軍とウクライナ軍の戦闘について、前線の状況は膠着しているとし、ロシア軍が短期的に大きな領土を獲得できるとは予想していないと述べた。
カール次官は下院公聴会で「今後数週間から数カ月の間に小規模な動きが見られる可能性はあるが、向こう1年間ほどでロシア軍がウクライナを席巻し、大きな領土を獲得できると示唆するものは何もない」と述べた。
ウクライナが供与を要請しているF16戦闘機については、 既存の機体の納入に1年半から2年、新規のものはさらに数カ月かかると指摘。「ウクライナは(戦闘機を)優先事項としているが、上位3位の優先事項とはしていない」と述べた。
バイデン大統領は、ウクライナに対する戦闘機供与を現時点では否定している。
公聴会は、ロシアの侵攻を受けてバイデン政権がウクライナに提供してきた320億ドル近い軍事支援を巡る監視に焦点を当てたもの。
野党共和党の中には、ウクライナ政府への資金提供に懐疑的な向きもある。
政権当局者は公聴会で、軍装備の監査について説明し、正しい道を外れるような状況にはなっていないと証言した。
カール氏は「重大な転用を示す証拠は見当たらない。これらの機器の一部が流用されたとすれば、それは戦場で獲得したロシア軍によるもので、これは常に起こることだが、ウクライナが闇市場に流している証拠はない」と述べた。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」