[ワシントン 28日 ロイター] - バイデン米大統領は28日、ロシアのプーチン大統領が週末に核戦力を含む核抑止部隊に高度警戒態勢を取るよう命じたことに関し、米国民が核戦争について心配する必要はないとの見方を示した。
ホワイトハウスのイベントで、核戦争に突入する可能性について米国人は心配すべきかとの質問に「ノー」と応じた。
ホワイトハウスの当局者らは先に、米国は現時点で核警戒レベルを変更する理由はないとの認識を示していた。
ホワイトハウスのサキ報道官は「われわれはプーチン大統領の命令を精査しており、現時点で米国の警戒レベルを変更する理由は認められない」と述べた。
米上院情報委員会のマーク・ワーナー委員長も、ロシアとプーチン政権から「差し迫った脅威」は確認されていないという認識を示した。同時に、プーチン大統領がサイバー攻撃を強化することは予想されると述べた。
インタファクス通信によると、ロシア国防省は28日、核ミサイル部隊と北部および太平洋艦隊がプーチン大統領の命令を受け戦闘態勢の強化に入ったと明らかにした。
サキ報道官は、米国と北大西洋条約機構(NATO)はロシアとの衝突を望んでいないと強調。「核兵器に関するこのような挑発的な言葉遣いは危険で、誤算のリスクを高める。回避すべきで、われわれは深入りしない」と述べた。
28日にはバイデン氏主催で、同盟国およびパートナー国の電話による首脳会談が開かれた。日本やカナダ、フランス、ドイツ、英国などのほか、NATO事務総長と欧州連合(EU)首脳が参加した。
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