[ワルシャワ 22日 ロイター] - バイデン米大統領は22日、北大西洋条約機構(NATO)の中東欧諸国の首脳らと会談し、同地域の安全保障に対する米国のコミットメントを改めて表明した。
バイデン大統領はポーランドの首都ワルシャワで開催されたNATOに加盟する中東欧9カ国の枠組み「ブカレスト9」で「あなた方はわれわれの集団的防衛の最前線」とした上で、NATOに対する米国のコミットメントは明確で、NATOの隅々まで守ると言明。集団安全保障を定めたNATO条約第5条は「米国が行った神聖なコミットメントだ」とした。
また、ロシアのプーチン大統領が21日に米国との新戦略兵器削減条約(新START)の履行を停止すると発表したことについて、「プーチン氏は大きな間違いを犯した」と述べた。
ブカレスト9は会談後の共同声明で、ロシア抑止に向け自国領土におけるNATOの軍事的プレゼンスを高めることにコミットすると表明。「ロシアは同盟国の安全保障にとって最も重要かつ直接的な脅威」とした。
共同声明にはハンガリーも署名した。ハンガリーは欧州連合(EU)の対ロシア制裁にしばしば反発しているほか、スウェーデンおよびフィンランドのNATO加盟申請についてトルコと同様にまだ批准していない。
22日の会談に先立ち、 ハンガリーのシーヤールトー外相は戦争の一段の激化を防ぐため、ウクライナでの停戦と和平協議を呼びかけた。一方、近隣諸国の多くがウクライナの完全勝利を求めている。
ハンガリーを含むブカレスト9はまた、ウクライナへの支持を改めて表明。「ウクライナは自国の領土の完全な支配を取り戻すために、ロシアの侵攻から自国を守る正当な権利を行使している」とし、「われわれはこの目的のために、必要な限りウクライナの取り組みを支援し続ける」とした。
ポーランド高官は記者団に対し、ブカレスト9の全加盟国がロシアのウクライナでの戦争を共同で非難したとし、「全加盟国が脅威が生じた場合に互いに支援することで合意した」と語った。
ポーランドのドゥダ大統領は22日、テレビ局TVN24で、ウクライナに戦闘機を供与するかどうかをNATO加盟国が決定すべきだとし、供与する場合にはポーランドは自国が保有する戦闘機「ミグ」から先に提供するとした。
米ホワイトハウスはバイデン大統領とブカレスト9首脳との会談について、「ウクライナに対する揺るぎない支援を再確認し、必要な限りウクライナ国民を支え続けるとの共通のコミットメントを強調した」とする声明を発表。また、7月にビリニュスで開催されるNATO首脳会議で、結束と集団安全保障が一段と強化されることを期待するとした。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」