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焦点:ECB緩和縮小に逆風か、外債ヘッジ目的でユーロ買い
2017年10月17日 / 04:27 / 1ヶ月前

焦点:ECB緩和縮小に逆風か、外債ヘッジ目的でユーロ買い

[ロンドン 16日 ロイター] - 欧州の投資家が外債投資に伴う為替リスクをヘッジするため、ユーロの買いを増やしている。今年に入ってユーロ相場が上昇に転じたためだが、ヘッジ目的の買いがユーロ高に拍車をかけ、量的緩和(QE)の縮小を狙う欧州中央銀行(ECB)にとって逆風となる可能性もある。

 10月16日、欧州の投資家が、外債投資に伴う為替リスクをヘッジするため、ユーロの買いを増やしている。写真はユーロ記号。フランクフルトで2013年9月撮影(2017年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

公式統計に基づく投資家の推計によると、ECBが2015年に債券買い入れに着手して以来、欧州投資家による外債購入は約1兆1600億ユーロ(1兆3700億ドル)に達した。ECBがユーロ圏の債券を大量に押さえてしまい、投資家は外債を買わざるを得なくなった格好だ。

この間、ユーロ相場が低迷していたため、大半の外債投資は為替ヘッジなしで行われ、昨年まで3年連続で利益が出ていた。しかし今年に入ってユーロは対ドルで13%超もの上昇に転じ、投資家は慌てて為替ヘッジに走った。

それでも、大半の外債投資はいまだヘッジが付いておらず、ユーロ高が再燃すれば再びヘッジ目的の買いが増える可能性がある。

ブラックロックのストラテジストチームは、外債投資について100%為替ヘッジをかけるよう推奨しているが、市場関係者の推計によると欧州投資家の外債投資でヘッジが施されているのは6─7割にとどまっている。

BNPパリバの為替ストラテジー・グローバル責任者、マイケル・スネイド氏は「ユーロが再び上昇し始めれば、投資家はあらためてユーロを買わざるを得なくなり、ユーロ/ドルの上値追いが続くかもしれない」と語った。

スネイド氏の試算では、全体のヘッジ比率が1%高まるごとに約100億ドルのユーロ買いが発生する。世界におけるユーロ/ドルの売買高は1日平均7000億ドルと巨額だが、それでも相当な割合だ。

16日のユーロ/ドルは1.1786ドル前後で、9月初めに試した2年半ぶりの高値1.21ドルからさほど遠くない。

<ユーロの底堅さ>

予想外の結果となったドイツ総選挙や、スペイン中央政府とカタルーニャ自治州との対立といった悪材料が出てもユーロが底堅さを保ったのは、外債投資家が押し目で買いを入れたことで説明がつく。

リンデングローブ・キャピタルのマネジングパートナー、Borut Miklavcic氏は「ドル高材料とユーロ安材料が目白押しなのに、ユーロは小幅な動きにとどまった。ということは、債券保有者か外貨準備を運用する中央銀行、大手機関投資家のいずれかが買いを入れたのだろう」と話す。

ECBは次回理事会で資産買い入れの縮小計画を示すとみられており、縮小を検討する上でユーロ高は重要な注目要因だ。ユーロ高が加速すれば物価に下押し圧力が掛かり、縮小が遅れる可能性もある。

マッコーリー・インベストメント・マネジメントの債券ポートフォリオマネジャー、ショーン・ウィルキー氏は「通貨高は物価押し下げにつながる。ユーロ圏の物価は落ち着いているが、比較的低いため、ユーロ高によってECBは金融緩和の縮小を遅らせるかもしれないとの見方も出ている」と語った。

(Saikat Chatterjee記者 Dhara Ranasinghe記者)

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