[19日 ロイター] - アジア通貨は総じて上昇。米連邦準備理事会(FRB)高 官のハト派的な発言を受けて、ドルが下落していることが背景。 ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は18日、金利がゼロ近辺にある場合でも低イ ンフレに対応するため早期に刺激策を打つ必要があるとし、景気が悪化するまで待つべき ではないという認識を示した。 ニューヨーク連銀は総裁の講演について、学術的なもので、次回の米連邦公開市場委 員会(FOMC)に関するものではないと説明したが、市場では楽観的なムードが根強い 。 アジア通貨は、インドルピーを除き、週間ベースで上昇する見通し。ルピー は週間ベースで小幅安。 韓国ウォンとインドネシアルピアが週間ベースで約0.6%上昇 し、上昇を主導。 インドネシア中銀と韓国中銀は前日、利下げを決定したが、アナリストの間では、F RBが目先ハト派的な姿勢を維持し、アジアの中銀がさらに利下げを行うとの見方が出て いる。 DBSリサーチ・グループのアナリストは「今後数四半期で、インド、インドネシア 、マレーシア、フィリピン、韓国がさらに利下げを実施する可能性がある」との見方を示 した。 タイバーツは0.4%上昇し、アジア通貨でこの日の上昇率トップ。 格付け会社フィッチ・レーティングスは、タイの格付け見通しを「安定的」から「ポ ジティブ」に変更した。 同社はタイの対外ファイナンスについて、良好な状態が続くとし「輸出は鈍化してい るが、経常収支は、観光客の流入とモノの貿易黒字に支えられ、他の諸国に比べて大幅な 黒字を維持する」と分析した。 フィッチは、タイ中銀が年内は金利を据え置くとも予想。「バーツは他のアジア通貨 に比べて上昇しており、タイの輸出競争力の重しとなる可能性があるが、最近の輸出の減 少幅は他のアジア諸国と総じて同じで、実際に重しになっているかは不透明だ」と述べた 。 バーツは今年約5.9%上昇、アジア通貨で上昇率トップとなっている。 0518GMT(日本時間午後2時18分)現在のアジア新興国通貨の対米ドル相場 は以下の通り。 *Previous dayは各通貨のオンショア市場引け値。ただし円とシンガポールドルは前 日NY市場引け値。 Currency Latest bid Previous day Pct Move Japan yen 107.570 107.29 -0.26 Sing dlr 1.356 1.3565 +0.01 Taiwan dlr 31.058 31.077 +0.06 Korean won 1173.800 1178.8 +0.43 Baht 30.750 30.88 +0.42 Peso 50.990 50.92 -0.14 Rupiah 13905.000 13955 +0.36 Rupee 68.815 68.95 +0.20 Ringgit 4.108 4.113 +0.12 Yuan 6.876 6.8805 +0.07 Change so far in 2019 Currency Latest bid End 2018 Pct Move Japan yen 107.570 109.56 +1.85 Sing dlr 1.356 1.3627 +0.46 Taiwan dlr 31.058 30.733 -1.05 Korean won 1173.800 1115.70 -4.95 Baht 30.750 32.55 +5.85 Peso 50.990 52.47 +2.90 Rupiah 13905.000 14375 +3.38 Rupee 68.815 69.77 +1.39 Ringgit 4.108 4.1300 +0.54 Yuan 6.876 6.8730 -0.04 (覧ください)