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EU、ロシアとのビザ発給円滑化を完全停止 全面禁止は合意できず

[プラハ 31日 ロイター] - 欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は31日、EUがロシアと合意していたビザ(査証)発給円滑化措置を完全に停止することで合意したと明らかにした。ただ、ウクライナのほか、一部EU加盟国が求めていた全面的なビザ発給の禁止については合意に至らなかった。

欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は31日、EUがロシアと合意していたビザ(査証)発給円滑化措置を完全に停止することで合意したと明らかにした。8月18日撮影(2022年 ロイター/ Johanna Geron/File Photo)

EUはプラハで2日間にわたり外相会議を開催。ボレル上級代表は同会議後の記者会見で「ロシアとのビザ発給円滑化協定の完全停止で合意した」とし、「これにより、EU加盟国が新たに発給するビザの数は大幅に減少する」と述べた。

バルト3国のほか、ポーランドやフィンランドなどが主張していたロシア人向けのビザ発給の全面禁止については、加盟国間の見解の相違が大きすぎたことで合意に至らなかった。ただ、ボレル上級代表は、ビザ発給円滑化の停止自体で実質的な影響を及ぼすことができるとの見方を示した。

ロシアと陸上で国境を接しているエストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、フィンランドが、ロシアからの旅行者のアクセスを制限するためにどのような一方的な措置を取ることができるのかは不明。これら5カ国はビザ発給円滑化停止を「必要な第一歩」として歓迎したが、ビザ発給数や域内に旅行に来るロシア人の数を「劇的に」制限するためにはさらなる対策が必要と強調した。

エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランドは共同声明で「そのような措置がEUレベルで実施されるまでは、差し迫った治安の問題に対応するため、EUのビザを持つロシア人のビザ禁止や国境通過制限といった一時的な措置を国家レベルで導入することを検討する」とした。

ロシア通信(RIA)によると、ロシアのグルシコ外務次官はEUの今回の措置を黙って見過ごすわけにはいかないと指摘。「EU側が再び墓穴を掘るのなら、それはEU側の選択だ」と述べた。

チェコのヤン・リパフスキー外相は、欧州域内をビザやパスポートなしで自由に行き来できる「シェンゲン協定」に基づくビザがロシア人向けにすでに約1200万人分発給されており、これらへの対応を含め、EUの欧州委員会がさらに検討を重ねると明かした。

ボレル氏によると、7月中旬以降、ロシアから近隣諸国との国境を通過する人が大幅に増加。「近隣諸国にとって安全保障上のリスクとなっている」とし、「これに加え、ウクライナで戦争が起きていないかのように、観光や買い物のために旅行するロシア人が多く見られるようになっている」と述べた。

欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス)によると、ロシアによるウクライナ侵攻開始以降、100万人を超えるロシア人が陸路で国境を越えた。大部分がフィンランドとエストニアを経由してEU域内に入ったという。

ウクライナのクレバ外相は、EUのビザ発給禁止を改めて求めた上で、「ロシアの欧州中心部への侵攻による『ジェノサイド(集団殺害)』戦争に対する適切な対応だ」と述べた。

一方、フランスとドイツは反対を表明。共同のメモで「ロシアの戦略をあおり、意図しない旗下結集効果や将来の世代での仲違いを防ぐため、われわれはEUのビザ政策に関する大幅な制限に対して警告する」とした。

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