February 11, 2018 / 11:28 PM / 5 months ago

アングル:通貨高抑制に慎重なアジア、米の不公正貿易批判で

[ソウル/東京 7日 ロイター] - 米国は1年前にトランプ大統領が就任して以来、不公正な貿易を批判する姿勢を強めてきた。このためアジア各国の政策担当者にとっては、ドルが数年来の安値に沈んでいるにもかかわらず、公然と自国通貨を押し下げる口先介入に動くにくい状況が続いている。

 2月7日、米国は1年前にトランプ大統領が就任して以来、不公正な貿易を批判する姿勢を強めてきた。このためアジア各国の政策担当者にとっては、ドルが数年来の安値に沈んでいるにもかかわらず、公然と自国通貨を押し下げる口先介入に動くにくい状況が続いている。写真は米ドル紙幣。シンガポールで昨年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White/Illustration)

ただ持続的なドル安が輸出に依存する多くの国の競争力を低下させている中で、中央銀行がよりさりげない方法で通貨高抑制を目指しているもようだ。例えばタイの中銀は先週、規制緩和を通じて個人投資家の外国証券直接購入を認めた。対外資金流出を促し、4年ぶりの高値を付けたバーツ上昇に歯止めをかける狙いと見受けられる。

アナリストによると、トランプ政権の通商面における強い態度が、アジア各国の為替レートにおける防衛ラインを修正させた面があることは、これらの国の中銀もある程度は認めている。

債券運用大手ピムコのグローバル経済アドバイザー、ヨアヒム・フェルズ氏は「トランプ氏にはより強力な武器、つまり保護主義という脅し文句がある。だから欧州と日本はドル安に渋々同意し、自分たちの通貨上昇を止める口先や実弾の介入には動いていない」と指摘した。

ドルは2017年初めから着実に下げ続けている。こうした長期のドル安において重要な場面となったのは、1月下旬に弱いドルが米国にとって好ましいとムニューシン財務長官発言したことだった。

米国はそう言いながら一方で、財務省が半年に1回、実質的に投資促進などのために為替レートを操作している国を認定する報告書を公表している。

通貨政策に関するアジア各国当局のコメントは遠慮がちだ。日本政府のある高官はロイターに対して「G7とG20で合意した通貨切り下げ競争を避けるスタンスに変わりはない」とだけ述べた。

2016年5月に麻生太郎財務相が、「一方的な」円の値動きが日本経済に打撃を与えるならば介入すると明言した姿勢とは対照的と言える。

タイ中銀幹部もロイターに、同国の大規模な経常黒字を考えるとバーツが上がるのはもっともだと語った上で、値動きがあまりに急激であってはならず、小規模な開放経済の為替レートを放置するのは不可能だとくぎを刺した。

それでも多くの輸出業者はもっとあからさまに通貨高で受ける痛みを訴えている。

韓国の自動車やエレクトロニクス分野の大手企業は、昨年はウォンがドルと円に対して高騰したことを嘆いた。半導体のSKハイニックスは昨年過去最高益を記録したものの、非経常費用の大半を為替差損が占めた。アップルのサプライヤーのLGディスプレイは、今年の事業環境で為替レートはマイナス要素になると覚悟している。

また現代自動車は昨年の業績が過去7年間で最悪となり、何とか稼ぎ出したわずかの利益は、ウォン高によって吹き飛んでしまった。同社関係者は「為替変動の影響を最小限にとどめる方法があるならどうか教えてほしいものだ。われわれはつらい局面に置かれ続けている」とこぼした。

(Hyunjoo Jin、Tetsushi Kajimoto記者)

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