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コラム

コラム:米大手銀、従業員のオフィス復帰で欧州勢に先行

[ロンドン 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米国の銀行が、欧州勢との距離をさらに広げるかもしれない。JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)とゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOは、遅くとも今夏中にニューヨークとロンドンの従業員を職場に復帰させたい考えだ。かたやバークレイズ、ドイツ銀行、HSBCは、ゆったりと構えている。米銀バンカーの方が顧客と対面する時間が増え、案件獲得シェアをますます拡大する可能性がある。  

 6月7日、米国の銀行が、欧州勢との距離をさらに広げるかもしれない。ニューヨーク証券取引所で3月撮影(2021年 ロイター/Lucas Jackson)

ダイモン氏は、「積極果敢に」働きたいバンカーにとって、在宅勤務は適していないと認めている。JPモルガンは今夏から、ニューヨークのマンハッタンとロンドンのカナリーウォーフで従業員を徐々にオフィスに復帰させる計画だが、その理由の一端がここにあるのかもしれない。出勤者の数は、オフィスの収容可能人数の50%を上限とする。ゴールドマンのソロモン氏も英米で同様のスケジュールを示し、在宅勤務は「例外的な措置」だと述べた。

これに対し、バークレイズとHSBCはまだ、この問題について指示を出しておらず、ドイツ銀の米投資銀行部門の職場復帰は9月になる見通しだ。

背景として、企業価値評価が低くコストの高い欧州銀の方が、コスト削減につながると踏んで在宅勤務の容認に前向きになっている可能性が考えられる。

HSBCのノエル・クィンCEOは、同行がゆくゆくはオフィスの床面積を40%減らす可能性があると認めている。バークレイズのジェス・ステーリーCEOは昨年、「オフィスビルで7000人が働くのは過去のことになるかもしれない」と述べた。もっとも、最近では従業員同士の協力や企業文化といった観点から、オフィス勤務の利点を強調している。

欧州勢は、コスト削減には代償が付いて回ることを思い知らされるかもしれない。合併・買収(M&A)および資本市場部門で働くバンカーらは確かに昨年、キッチンにいながらディールを獲得し、見事な儲けを上げた。しかし、それは全員が同じ土俵で戦っていた時の話だ。

JPモルガンとゴールドマンの従業員は今後、職場復帰によって有利な立場に立つかもしれない。同僚同士が素早くアイデアやうわさ話を交換できるようになるし、顧客と実際に会って打ち合わせすることが増えれば、信頼感も築きやすくなる。

欧米の差はわずかかもしれない。だが、JPモルガンとゴールドマンは既に勢いに乗っている。シティグループのデータによると、世界のM&A手数料における両社の合計シェアは、5年前の18%から今では19%に拡大した。これに対してバークレイズ、ドイツ銀、HSBCの合計シェアは7%から5%に下がっている。米国勢が少しでもプッシュを強めれば、この差はさらに拡大しかねない。 

●背景となるニュース

*JPモルガンは6月21日から、英国の従業員全員について「コンスタントな」オフィス勤務を再開する見通しだ。出勤者数は常時、オフィス収容人数の50%を上限とする。ロイターが5月11日に報じた。

*同行は4月、全ての米従業員を7月からローテーション制で職場に復帰させる準備を進めていた。ロイターが確認した内部メモで明らかになった。

*JPモルガンのダイモンCEOは5月4日、在宅勤務が全員に適しているとは限らず、特に「積極果敢」に働きたい人々には向いていないと述べた。

*ゴールドマン・サックスは5月、米国の従業員に6月14日から、英国の従業員には6月21日から、それぞれ職場勤務に戻るよう求めた。 

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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