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アングル:米銀ストレステスト、FRBも読めないコロナ禍の結果

[ワシントン 1日 ロイター] - 米国の金融システムは、新型コロナウイルス感染拡大がもたらした経済危機で企業や消費者のデフォルト(債務不履行)が増加する中で、どの程度耐久力を持っているのか――。その答えを導き出すための手掛かりの1つになるのが、米連邦準備理事会(FRB)の大手銀行に対するストレステスト(健全性審査)の結果だろう。

新型コロナ問題の影響を反映する今年の米銀のストレステストは、実行者であるFRBでさえ6月末の結果を読めそうにない。3月13日、ニューヨークで撮影(2020年 ロイター)

だが新型コロナ問題の影響を反映する今年の場合、テストの実行者であるFRBでさえ、6月末に実際にどのような結果が出てくるのかは神のみぞ知るといったところだ。

米大手行の業界団体、ファイナンシャル・サービシズ・フォーラムのフロマー最高経営責任者(CEO)は「これは賞金10万ドル級のクイズだ。きっとFRBは正しい答えを得ようと努力を続けていると思う。われわれも興味津々であるものの、何もはっきりしていない」と述べた。

そうなると銀行は、想定以上に多くの資金を保持し、配当金を減らしたり、バランスシートを圧縮するか融資を縮小しなければならない可能性がある。

2009年以降毎年実施されてきたストレステストでは、極端な経済ショックを乗り切れる資本水準が決定され、余剰分を株主に還元することができた。しかし今年は、新型コロナのパンデミック(大流行)が幾つかの尺度で2月にFRBが想定した最悪シナリオを超える形となり、一部の銀行からはテストを中止した方が良いとの声まで飛び出した。

それでもFRBはテストを行う方針を堅持するとともに、5月に新型コロナの影響を加味した分析項目を追加した。

これに対して米国証券業金融市場協会(SIFMA)は5月29日付ノートで、FRBにテストは当初通りの内容で実施すべきだと提言し、新型コロナを考慮すると必ずしも必要ではない資本手当てが求められ、景気回復を冷え込ませるといった不適切なタイミングで銀行のバランスシートを抑制しかねないと警鐘を鳴らした。

一部のFRB当局者が心配しているのは、今のところ銀行セクターは底力があると証明しているとはいえ、大量失業の発生によって企業や消費者のデフォルトがさらに増え、銀行にかかる負荷がずっと大きくなってしまう展開だ。

事実、JPモルガン・チェースJPM.N、ウェルズ・ファーゴWFC.N、バンク・オブ・アメリカBAC.N、シティグループC.Nという大手4行は、第1・四半期だけで合計200億ドルもの貸倒引当金を計上した。

FRBが追加した分析項目の詳細や、どういった要素を点検するかを示さないため、銀行側もテスト結果について何のヒントも得られていない。

アナリストの間では、FRBが2月時点で決めた10%を既に超えてしまった失業率の想定を修正し、不良債権比率も約6%という従来の設定から大きく引き上げるとの見方が出ている。

元FRB高官で、ブルッキングス研究所の上席研究員、ネリー・リャン氏は、新型コロナによる打撃に苦しむホテルなどの業界向けの与信状況も点検されそうだと話す。

キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズとエバーコアISIのアナリストチームは、テストで認められる余剰資本は減少し、銀行が減配を強いられるかもしれないと述べた。FRBはこれについて直接コメントしていないが、4月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、自由になる資本が少なくなる事態にも備えるべきだとの意見が見受けられた。

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