June 6, 2018 / 2:09 AM / in 2 months

アングル:FRBの利上げ、米国債のさらなる動揺招く危険性

[ニューヨーク 5日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は12─13日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で、現在1.50─1.75%の政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げるとの予想が多い。

 6月5日、米連邦準備理事会は12─13日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で、現在1.50─1.75%の政策金利を25ベーシスポイント引き上げるとの予想が多い。写真はワシントンにある米FRB本部ビル。2017年5月撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

この利上げは短期金融市場にとって重要な節目になるだろう。安いコストで潤沢なドル資金が手に入った時代が終わり、既に物価上昇と財政赤字拡大によって動揺している米国債を、さらに不安定化させる可能性があるからだ。

政策金利が25bp上がると、FRBが掲げる物価上昇率の目標である2%にほぼ並び、過去およそ10年で初めてドル資金の借り入れコストが実質的に「ただ」ではなくなる。

USバンク・ウエルス・マネジメントの債券調査責任者ビル・メルツ氏は「物価が上がり続けているので、われわれは転換点が目に入ってきている」と話した。

政策金利は2007─09年の金融危機以降、ずっと物価目標の2%を下回り続けてきた。

一部のアナリストは、次の利上げを通じて短期資金の借り入れコストがある種の取引の妙味を低下させるほど跳ね上がり、債券市場の安定を損なうと警鐘を鳴らした。魅力が薄れるのは、低利のローンで高利回り証券を買うキャリートレードや、短期債を売って長期債を買うイールドカーブのフラット化取引などだ。

イーグル・アセット・マネジメントの債券マネジングディレクター、ジェームズ・キャンプ氏は「クレジット商品やその他リスク性資産に問題を引き起こすのは、決まって短期金利の上昇だ」と指摘。最近起きた10年債利回りの高騰よりも、短期資金の借り入れコストが上がる方が、トレーダーや投資家に持続的な影響を及ぼす公算が大きいと説明した。

3週間前に10年債利回りは約7年ぶりに節目の3%を突破したが、その後は落ち着いた。一方、いくつかの主要な短期金利は、08年のリーマン・ブラザーズ破綻後の金融危機におけるピーク以来の高水準で推移している。

借り入れによる投資コスト(レバレッジ)が今年に入って上がったのは、FRBの利上げ見通しだけでなく、大規模な減税と向こう2年間の歳出拡大方針によって連邦政府の債務が膨らみ、民間の借り入れ可能な資金が減ったことが原因だった。

金利上昇は債券価格下落を意味するので、債券保有自体も損失が生じる。ブルームバーグとバークレイズが算出する指数によると、米国債と他の投資適格債の年初来リターンはマイナス2.02%。

ゴールドマン・サックス(GS.N)やモルガン・スタンレー(MS.N)などは第1・四半期にトレーディング収入が急増したものの、第2・四半期になってトレーディング活動が鈍化したことを明らかにした。

<ドル資金争奪>

米国の税制改革で同国に本拠を置く多国籍企業が海外、とりわけ欧州から資金を還流させたことから、ドル資金争奪には外国銀行も参戦してさらに激しくなっている。

カーバチュア・セキュリティーズのスコット・スカイルン氏は「以前は欧州にかなり多くの低コストの(ドル)資金があったが、今は獲得の難しさが増した。取り手は調達のために提示金利を引き上げざるを得ない」と話す。

ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の3カ月物ドル金利は5月4日に2.36906%と、08年11月以来の高さになった。

銀行が短期資金調達に利用しているコマーシャルペーパー(CP)の3カ月物は2.2%で、やはり08年10月以来の高水準。レポ金利も1.80%と、昨年末以降に35bp上昇している。

イーグル・アセットのキャンプ氏は「短期ゾーンは対応に注意を要する所だ。レバレッジは高まり続けている」と述べた。

(Richard Leong記者)

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