April 5, 2018 / 7:20 AM / 4 months ago

アングル:中国の対米通商報復、「米国債」カードは温存

[ニューヨーク 4日 ロイター] - 米国による通商制裁措置に対し、中国が米国から輸入する製品への報復措置を決めるまでにはたった11時間しかかからなかった。だが中国当局は、米国からの最大の輸入品に対する報復措置だけは差し控えている。それは「米国債」だ。

4月4日、米国による通商制裁措置に対し、中国が米国から輸入する製品への報復措置を決めるまでにはたった11時間しかかからなかった。写真は2016年1月撮影(2018年 ロイター/Jason Lee)

1月末時点で中国が保有する米国債は1兆1700億ドル相当に上る。外国政府としては最大で、全体で見ても米連邦準備理事会(FRB)に次ぐ規模だ。もし中国が米国債を売却すれば、債券の利回りが上昇して政府が調達する資金のコストが上がり、米国政府や世界の投資家にとって打撃となり得るだろう。

中国の朱光耀財政次官は4日、報道陣から報復として米国債を売る考えがあるのかと聞かれると、中国は外貨準備を巡っては長期的な政策を持ち、責任ある投資家であり、外貨準備の価値を守ると強調した。

市場で「債券王」として知られる著名投資家、ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者は、中国が米国債を影響力として利用できるのは保有し続けた場合のみだ、と指摘する。「脅しとしては効果的だが、売ってしまったら何の脅威でもない。単に状況を悪化させるだけで、影響力は失われる」と述べた。

中国の米国債保有高は最近、減少傾向にある。米政府によると、昨年8月時点には1兆2000億ドルだったが、1月末にはそこから300億ドル減少した。2013年末には1兆3000億ドルを上回って過去最高水準を記録していたが、そこから比べれば11%も減少した。

ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジェフ・クリングルホファー氏は「中国が核のスイッチを押すように米国債を売るなら、米国市場には即座に、一時的な影響があるだろう。だが、まさに中国が築こうとしている持続可能性への打撃が大きいのではないか」と指摘する。

また、外交問題評議会(CFR)の国際経済シニアフェロー、ブラッド・セッツァー氏は、中国が米国債を売り、より低利回りの欧州や日本の国債を買えると指摘する。

だがアナリストらは、結果としてドルに対して中国元を上昇させ、中国の輸出競争力を弱めることになるとみる。

CFRのセッツァー氏は、もし中国が貿易紛争を過熱させたいなら、ドルに対して人民元を値下がりさせるだろうと指摘する。そうすれば、トランプ米大統領が目指す米製造業の復活に打撃となるからだ。

米国債保有を巡る中国の政策変更の可能性は低いが、何か変化があればすかさず世界の金融市場に影響が及ぶと、投資家は警戒している。

1月には中国が米国債購入を中止するかもしれないとの報道が流れ、利回りは上昇した。だが中国は、外貨準備の価値を維持するためにあらゆる方策を検討しているだけであり、報道は真実ではないと主張した。

(Trevor Hunnicutt and Kate Duguid記者)

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