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情報BOX:米中「第1段階」合意の詳細

[15日 ロイター] - トランプ米大統領と中国の劉鶴副首相は15日、貿易協議の「第1段階」合意文書に署名した。中国が米国製品の購入や米国のサービス利用を拡大することなどの見返りに、米政府は中国向けに発動済みの一部制裁関税の税率を引き下げる。

1月15日、トランプ米大統領(右)と中国の劉鶴副首相(左)は、貿易協議の「第1段階」合意文書に署名した。ホワイトハウスで撮影(2020年 ロイター/Kevin Lamarque)

米通商代表部(USTR)が公表した詳しい内容は以下の通り。

<中国による購入>

中国は今後2年間で、2017年時点に比べて少なくとも2000億ドル相当、米国の製品やサービスの購入を増やすことに同意した。輸入拡大は「2021年以降も数年間、同じペースで続ける」という。

貿易摩擦が始まる前の17年に中国は、米国製品を1300億ドル、米国のサービスを560億ドル買っていた。

項目別に中国の購入方針を見ると、米国の工作機械や電子機器、航空機、自動車、医療機器などの工業製品は17年比で今年329億ドル、来年は448億ドル購入を増やす方針だ。つまり今年の工業製品購入額は1200億ドル、来年は1319億ドルになる、とUSTRは説明している。

液化天然ガス(LNG)や原油といった米国のエネルギー製品の購入予定額は今年が301億ドル、来年が455億ドル。

また中国は米国のサービス購入を今年128億ドル、来年は251億ドル増やす。これによりサービス購入額はそれぞれ999億ドルと1122億ドルになる見通しだ。

大豆や穀物、食肉など米国の農産品は2年間で320億ドル追加購入(今年は125億ドル、来年は195億ドル)する。その結果、2年間の購入総額は800億ドルに達する。USTRによると、このほか中国は年間でさらに50億ドルの農産品を買い入れる努力もする。

トランプ氏は署名式で、中国による米農産品購入額は500億ドルになる可能性があると発言した。

<関税>

今回の合意で米国は、昨年9月1日に適用を開始した1200億ドルの中国製品に対する15%の制裁関税について、税率を半分の7.5%に下げる。それ以前に発動した2500億ドルの中国製品への25%の制裁関税は当面変更しない。

トランプ氏は、25%の制裁関税は米中が「第2段階」の合意に達すれば撤廃できるとの見方を示した。

昨年12月15日に予定していた携帯電話やノートパソコン、玩具など約1600億ドルの中国製品に対する新たな制裁関税の発動は、無期限に停止されている。

<知的財産権>

合意には、中国が特許権や商標権、著作権などの法的保護を強化することも盛り込まれた。ネット上での権利侵害や違法コピーなどに対する刑事、民事両面の取り締まり態勢を改善する。

また中国側は、市場アクセスなどの条件を出して外国企業に技術移転を強要しないと改めて約束。外国の技術買収を狙った海外投資を政府が直接支援するのを控えることにも合意した。

<通貨>

通貨問題では、中国が切り下げ競争や、輸出競争力を高めるために為替レートを操作するのを慎むと約束した。もっともこうした表現は、中国が20カ国・地域(G20)の合意事項として何年も前から受け入れている。

ただ違反した場合は、制裁関税が発動される可能性がある。さらに両国は、為替レートと対外収支に関するデータを決められたスケジュールに従って公表することで一致した。

<紛争解決>

今回の合意事項の実施方法を巡る米中間の意見対立は、二国間協議を通じて解決する。この協議はまず事務レベルから始め、トップレベルまで段階的に行う。

もし協議で決着しない場合は、関税を含めた制裁のプロセスに入る。USTRのライトハイザー代表は記者団に、信頼に基づく協議を通じて適切な行動が取られるなら、両国とも報復には動かないと語った。

<中国の金融サービス市場開放>

複数の米政府高官によると、今回の合意で、米国の銀行や保険、証券、格付け会社などにとって中国の金融サービス市場へのアクセスが改善された。米国側はかねてから、中国の金融サービス市場には外資規制や差別的な規制といった投資の障壁があると不満を募らせていた。

中国は、この合意は米国からの金融サービスの輸入を増やすことになるとしている。

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